こんにちは、CSV局のナルトンです。9月に開催した文化商店がどのように始まり、企画されていったのか?その裏側を構想から企画、ワークショップにクリエイティブと全4回でお届けするシリーズ「文化商店裏話」。
本シリーズ最終回となる第4回目では、文化商店2日間計6回にわたって開催したワークショップの裏側をお届けします。ワークショップ開催に至るまでの企画構想から、参加ブランドへの声がけやコラボレーション実施に至った背景について、新規事業開発室 狩野とCSV局 平川にインタビューした内容をお届けします。
▶︎第一回目:文化商店裏話〜構想編〜
▶︎第二回目:文化商店裏話〜企画編〜
▶️第三回目:文化商店裏話〜クリエイティブ編〜
—まずは、お二人の文化商店での役割について教えてください。
狩野:今回のワークショップは各回、2つのブランドがコラボレーションした形での開催だったので、コラボレーション実施に至る当日までのブランドのケアや企画まわりのサポート、運営など全体を通して担当していました。
平川:私はワークショップ全体の建付けの考案と、実施ブランドの選定から確定までを担当しました。実務周りも担当していたので、ブランドへの企画提案や参加者向けの予約ページ作成なども行っていました。
—ありがとうございます。それではまず、文化商店でワークショップを実施するに至ったきっかけを教えてください。
平川:出店ブースとは別に、来場者には参加型でブランド体験をしてもらいたい、と思っていました。文化商店はブランドの持つ思想や魅力を感じたり、体験してもらったりする場として機能してほしいという思いがあったので、直接コミュニケーションをとって購入へ至る出店ブースとは別の切り口としてブランドを体験できるワークショップを組み込んだ形です。
—2日間6枠、計12ブランドが参加したワークショップとなりましたが、具体的に実施するブランドや企画内容が決定するまでにはどのようなプロセスがあったのでしょうか。
狩野:まず、初期のオリエンテーションで平川さんから出店ブランドさんに向けて、ブース出店に加えてワークショップ実施のお声がけをしていました。そこで会場の使い方やワークショップの内容などを説明し、その中で「コラボレーションをしませんか」という話もしていたんです。
コラボレーション相手としてご紹介するブランドさんは、シナジーが生まれるようにある程度FRACTA側で候補を絞ってお伝えしていました。例えば食品系のワークショップを実施するのであれば、飲料系のブランドさんをご紹介したり、“アップサイクル”への取り組みが共通しているブランドさん同士にしたり。
ワークショップの実施ブランドが決まってからは、事前にコラボレーションするブランド同士の顔合わせミーティングを行いました。お互いのブランドへの想いや熱量を共有するためにも、テキスト上ではなく口頭でご挨拶を交わして、顔を見ながら確認した方が良いと思ったんです。結果として、その場では「御社の取り組みすごく良いですね」「こういうこと出来たらおもしろいですね」とコミュニケーションが活発に生まれ、その時のアイディアが実際の内容に反映されたワークショップもあります。
平川:ワークショップの企画に関しては、ブランドさん側に企画から進めていただいたものと、あらかじめ狩野さんと私で企画を作って提案をしたものの2パターンがあります。
今回はワークショップを初めて実施するブランドさんが多かったこともあり、ただ企画を渡して終わりではなく、どうやったらより良いものが生まれるか、良いコラボレーションが実現できるかという視点で2ブランドの間に入ってサポートさせていただきました。
—コラボレーションが今回のワークショップの肝になったと思うのですが、コラボレーションを実施するに至った背景をお聞かせください。
狩野:文化商店ならではのワークショップを作りたいという思いはありました。イベントにおけるワークショップの開催というのは比較的オーソドックスな型なので、来場者の想像を超える文化商店ならではの体験が作れたら、と。文化商店というイベント名称からヒントを得て、そこから自然と出店ブランド同士が繋がる文化交流の場として、出店ブースとは別にワークショップが使えるのではないかと考えていました。
一方で参加者視点に立った時にも、たった一枠に参加するだけで複数のブランドを知ることができたらサプライズとなって面白いかもと思っていたのもあって、結果としてコラボレーションが最適という結論に至りました。
—コラボレーションに関して、参加ブランドの皆さんの反応はいかがでしたか。
狩野:概ねポジティブな返答をいただくことができました。プロジェクトなどで外部の人間が横から入ってきたら、どんなことをされるのかと異分子的に弾きたくなる心理が働くかと思うのですが、ワークショップは比較的実施内容が自分たちで想定しやすいと思うので、そこに対しては介入される、という意識よりも何か良いことが起きるんじゃないか、とイメージしやすいのではと思いました。
もう一つは、文化商店に出店してくださったブランドの多くが「自分たちの商品を広めるにはどうしたら良いだろう」とか「文化というカテゴリーの中で面白さを知ってもらうためにはどう伝えればいいだろう」という考え方に対して、結構オープンマインドだったと思うんです。それもあって、結果的に良いリアクションをいただけたのではないかと思っています。
平川:文化商店の出店ブランドは、文化をつくってきたブランドやこれからの文化をつくっていく、というマインドで共通点・共感できる部分が互いにあったと思うんです。ブランド同士の顔合わせミーティングの時に感じたのですが、お互いに興味を持っていたり、リスペクトを感じられたり、そういう気持ちがあったからこそ自然と共創的思想を醸成できたのではないかな、と思っています。
—実際に開催してみて、当日の様子や参加者の声などはいかがでしたか。また運営側として今回ワークショップを実施した感想を教えてください。
狩野:当日はどのワークショップも和気あいあいとした雰囲気で、ブランドと参加者の間で自然な会話も生まれていました。事後アンケートでは、その分野への興味が深まったという声も多く頂いて嬉しかったですね。参加者のほとんどは単純に商品に興味を持っただけではなく、カテゴリーや文化自体に興味を持ったという方や、元々ブランドや内容に興味があって参加した、という方も多く、オフラインでワークショップをやることの良さを再確認できました。
ワークショップってFRACTAで言うところのシンボリックエクスペリエンスに近いなと思うので、知って理解して興味を深めて、出店ブースに行けば購買までできるので、ただ情報を読み取るだけでも、購入して終わりでもない全ての体験が一貫して提供できることの素晴らしさを実感しました。
運営側という視点では、自分たちが提供するものへの理解や自信があるブランド同士であれば必然と良いコラボレーションが生まれるんだという気づきがありました。このコラボレーションを通して、ブランドさんの中でも他分野に対するブランド理解が深まったり、刺激になってくれていたりしていれば嬉しいですね。ワークショップに限らず、ブランド間の交流になったというか。その辺りの価値提供ができたかなという気はしています。
平川:出店ブースのあるホールではレギュレーション的に試飲試食など、実施できることの制限があったので、それがワークショップで実現できたのは良かったなと思います。
そして何より、実際に2つのブランドに顔合わせしていただいた時に想像を上回るワクワクするコラボレーションアイディアが出てきたのが運営側としてすごく面白かったです。ただの商品提供ではなく、ブランドの想いやストーリーをしっかり内容に組み込んで、より良いものにしていこう、という提案を相互にされていたので、ブランドさんの熱量を感じられて素晴らしかったなと振り返ってみて思います。
来場者が1つのブースに滞在する時間は限られているので、そこで伝えきれない思いや体験を、ワークショップという枠組みの中でしっかり伝えながら、アットホームな雰囲気で体験を提供できていた実感があります。
1つのブランドだけで開催する以上の効果や面白みのような深さを出せたなと思っていたので、これはブランドさんにも助けられた部分ですね。
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裏話はここでおわり。でも文化商店はまだまだ続く、かもしれません。
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文化商店、それは未来の文化を売り買いする商店。
集まるお店の取り組みを、来場者とともに未来の文化へとつなぐ場所。
このイベントをきっかけに、いつも買っている商品やサービスの背景にもあるストーリーやお店の想いを探してみたり、未来のために挑戦しているお店を見つけてみたり。
あなたのその行動が、ブランドが事業を続ける一つの理由になるかもしれない、ブランドが続くことで、生活者の豊かな選択肢につながるかもしれない。
そんな循環がめぐり、新たな文化が生まれることを願い、FRACTAはこれからもブランドの未来のために支援していきます。