文化商店裏話〜構想編〜

文化商店裏話〜構想編〜

こんにちは、CSV局の花沢です。9月に開催した文化商店、みなさん楽しんでいただけたでしょうか?来場いただけなかった方も、当日の会場の様子をレポートでお届けしているのでぜひご覧くださいね!

文化商店レポート▶︎https://fracta.co.jp/blogs/journal/journal_230926

今回は、大盛況に終えた本イベントがどのように始まり、企画されていったのか?その裏側をお届けするシリーズの第一回目をお届けします。シリーズは全4回予定で、文化商店の構想から企画、ワークショップにクリエイティブと内容をわけてご紹介。

第一回目は構想編として、なぜFRACTAが文化商店を開催するに至ったのか、どんなイベントを目指していたのか、そして文化商店にかける想いについて、構想から企画を担当したCSV局の村中と平川にインタビューしました。


左から)CSV局 局長 村中花梨、平川佳奈

ーまずはお二人の文化商店における役割について教えてください。

村中:私は全体統括として予算や企画の最終ジャッジ、主に意思決定の部分を担っていました。実際にメインで動いてくれていたのは平川さんはじめ現場のメンバーですね。

平川:私は運営統括として全体進行を行いつつ、ブランドサポートを中心に担当していました。出店ブランドの募集から選定、決定後の出店に関するコミュニケーション全般をみていました。

「ブランドを、未来の文化へ。」を体現したブランドと顧客の場づくり

ーありがとうございます、それでは本題へ。FRACTAが文化商店を開催するに至った経緯からお伺いできますか?

村中:文化商店の源泉となる考えは、代表の河野の想いでした。河野からは「FRACTAは象徴的な体験をどう生み出すかに常に向き合ってきた。その中でたどり着いた答えの一つは、デジタルとリアルをどれだけ違和感なく繋いでいけるかということ。それはある意味音楽活動における”ライブ会場”のような熱狂を生み出す場をつくることだと思う。出店とはまた違う、ブランドのリアルにおける新しい在り方。まずはそのきっかけとなる場をFRACTAが自らつくりたい。」ということを聞いていました。

平川:私がその構想を伺ったときはまだFRACTAにジョインした直後だったので、FRACTAとしてどうすべきかという視点は養えていませんでしたが、個人的にはクライアントとプロジェクト終了後も関係性が続いていく、一緒に何か取り組みができる、その手法としてイベントが開催できることは率直にめちゃくちゃ良いじゃん!と思いました。

村中:私自身は、FRACTAの支援領域についての課題感も感じていました。会社のビジョンとして「ブランドを、未来の文化へ。」と掲げているものの、これまではブランド立ち上げやリブランディング、サイトリニューアルなど「そのプロジェクトの目的を達成すること」に終始することも少なくない現状がありました。本来はその先のブランドとのコミュニケーションや持続的な成長まで領域を広げてサポートする必要がある。その支援の一環として、文化商店のような場づくりができれば、という考えがベースにありましたね。コロナ禍が明けて、世の中にリアル回帰の兆しが予想されはじめたところで、正式にイベントとして立ち上げるに至りました。


ー文化商店のタイミングについては代表の河野にも伺ったところ、こんな答えが返ってきました。

河野:コロナ禍を経て、リアルに対する考え方が大きく変革したタイミングだと感じています。リアルだから良いのではなく、リアルとデジタルそれぞれの役割と、提供できる価値を再度スクラップ&ビルドできるチャンス。我々からブランドへ「こんな体験の場もありではないか?」という提案に相応しいタイミングだと感じました。単なる集客や広告、宣伝という枠組みではなく、どれだけブランドと顧客がコミュニケーションできるか。そして空間全体で新しい価値を生み出せるか。相互送客の可能性も交え、これまでにない新しい価値を提案するなら今この瞬間しかない、と考えていました。

ーブランドへの支援範囲の拡大とともに、FRACTAの価値拡張への挑戦だったことが3名の言葉から伺えました。

B2B企業が初挑戦するB2Cイベントの難しさ

ーイベントとして企画をはじめることになり、最初に決めたことは何でしたか?

村中:河野から「ブランドを集めてB2B/B2C双方に向けたイベントにしたい」と聞いてはいましたが、イベントを開催することでFRACTAとしてどうなりたいか、何を目的にするのかについては、CSV局を中心にFRACTAのメンバーでゼロからつくっていきました。

新しいビジネスチャンスとしてのブランド向け展示会イベントは数多くあるけれど、FRACTAがやるべきはそうじゃない、ブランドと生活者とが出会う場としてしっかりつくりたい、といった議論は相当重ねましたね。

それからもう一つ個人的に課題に感じていたのは、ブランドの始まりや背景などは思っている以上にコミュニケーションが取れていなかったり顧客には伝わっていなかったりするのではないか、ということです。ブランドが顧客とコミュニケーションするのはどうしても売り場が大半。そういう場では商品そのものにどんな価値があるのか、どうやって使うかについて伝えることがメインになります。それが悪いことでは全くないのですが、FRACTAがやるならなぜこのブランドを始めたのか、なんでその取り組みをしているのかが一番にみえて、きちんと顧客に伝わるイベントにしたい。そのための土台を固めていきました。

文化商店の目的を整理していた資料

ー文化商店としての独自性もそのときに固まったのですね。文化商店の存在を定義していく際には、FRACTAがこれまで開催してきたB2Bイベントとは異なる視点が必要になったと思いますが、そのあたりの違いはどう感じましたか?

村中:どうなれば成功なのかが掴みにくい、という部分が大きかったです。B2B向けイベントであれば、ゴールはリード獲得や認知拡大などと明確に設定して、そこからターゲットは誰か、メッセージは何か、と繋げていけますよね。でも今回はゴールを決めることに迷いが生じていました。何を成功とするかの定義から考える必要があったことは苦戦したところです。

平川:主役の違いもあったかなと感じています。これまでのB2B向けイベントにおける主役はFRACTAで、自分たちが何者か、提供価値は何かをわかってもらうための発信、つまり信頼感の醸成が目的でした。一方、文化商店での主役はブランド。FRACTAが担うのはブランドの魅力を伝える場づくりという点が大きな違いかなと。もちろんFRACTAを生活者に知ってほしいという思いもありますが、それは上位目的ではなく、文化商店で重視すべきはブランドの思想に触れてもらう、ブランドの魅力を知らない人々に広めていくことだと捉えています。


コミュニケーションを生み出すイベントコンセプト定義

ー目的が定義されたところで、文化商店という名前の由来について伺いたいのですが。シンプルでありながら核心的なネーミング、どんな経緯で決まったのでしょうか?

村中:こういうイベントにしたい、が決まってから、社内のコピーライター(小山内さん)にネーミングを検討してもらいました。「文化商店」というネーミングは初回提案のときには出ていなくて、プロジェクトメンバーからフィードバックをした2回目のタイミングで提案してもらいました。

平川:イベントコンセプトの検討時に「こんなイベントは嫌だ」を出し合ったんですが、そのなかに価値観の押しつけやわかりづらいもの、アカデミックすぎる内容にはしたくない、という意見がありました。そこから、生活者にとってわかりやすい、かつモノの購入だけではなくモノにまつわる文化まで知ってもらうことを重視する流れが生まれました。わかりやすさとともに親しみやすさ=出店者と来場者が良好なコミュニケーションを築けるような気軽な雰囲気を醸成したいという意見もあり、それらがまさにタイトルに反映されていたことが決め手になっていたかと思います。

村中:「文化商店」って、聞いただけで温度感や空気感がわかるというか。この案が出てきたとき、プロジェクトメンバーのなかで会場の雰囲気とかビジュアル、にぎわい具合とかのイメージがパッと広がったというのがあって。やりたいことや想いを言い当ててくれた感じがしました。あと、FRACTAはなにかと英語で表記しがちなので今回のイベントでは日本語にしたほうがいい、みたいな話もしてましたね。笑


ネーミング案

ーそうしたプロジェクトメンバーの想いから生まれた「文化商店」。その想いに共感してくれた26ものブランドから出店いただきました。改めて、集まっていただいたブランドにどんなことを感じましたか?

平川:ありがたいことに、コンセプトへの共感はとても多くいただいた実感があります。未来のためにアクションしているブランドを未来の文化として伝えていきたい、というところですね。また、リアル出店やポップアップをテストマーケティングとして実施したいブランドから出展を決めていただいた印象もあります。

村中:顧客としっかりコミュニケーションをとることに前向きな方々に集まっていただいたと思います。売上だけを求めるというよりも、顧客とのコミュニケーションの価値に共感してくれた人たちが多かったですね。

ー実際に文化商店を開催してみてどう感じましたか?

平川:FRACTA初の大型イベントの実施で、当日まで何が起こるかわからない・・・といった不安もありましたが、出店者と生活者が繋がり「売る」だけが目的ではないコミュニケーションや文化体験が生まれているのを目の当たりにし、本当に開催できて良かったと強く感じています!

村中:まずは無事終えることができて、現場のメンバーや出店ブランドさん、ご協力いただいた皆さん、来場してくださった方々に心から感謝しています。会期中は本当に多くの方にご来場いただき、未来の文化を感じていただけたと思います。当初想定していた以上に「場」の価値を感じることができました。



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「ブランドを、未来の文化へ。」

その想いを体現するイベントとして開催された文化商店。

今回は構想編として文化商店の成り立ちをお伝えしました。構想していたブランドと生活者とのコミュニケーションを実際に生み出し、モノの背景にあるストーリーや生まれた想いを聞きながら楽しむ文化的な買い物体験を提供できたと実感しています。

次回は、来場者に楽しんでもらい、ブランドとのコミュニケーションを促す買い物体験の具体的な企画について、企画編としてお届け予定です!ぜひ続編もお読みいただけたら嬉しいです。