「文化商店」ワークショップレポートNo.03|焼酎の”いま”を知る、ワークショップ

「文化商店」ワークショップレポートNo.03|焼酎の”いま”を知る、ワークショップ

こんにちは。新規事業開発室(文化商店運営メンバー)の狩野です。

FRACTAは初の試みとなるイベント「文化商店」を2023年9月16日(土)・17日(日)の2日間、原宿駅前のWITH HARAJUKUにて開催しました。文化商店についての紹介はこちらよりご覧ください。

本記事では文化商店の催しとして行われた「ワークショップ」の様子を全6回を通してお届けします!文化商店の片鱗やそこで催された文化的体験を少しでも感じて頂ければと思いますので、連載的にお楽しみください。

今回は9月16日(土)の最終枠となる「焼酎の”いま”を知る、ワークショップ」の様子をお届けします。日本固有の酒でもある焼酎。

参加者はその焼酎の“いま”をどのような体験を持って知ることとなったのか…その結実をレポートにてご覧ください!

「文化商店」とは?

文化商店は「まだ見ぬブランド、まだ見ぬ顧客と出会う商店。売り買いするのは、未来の文化。」をテーマに、ブランドを運営する方々との対話や商品購入などを通じて、これから先の未来のために続けている取り組みを体験できるイベントです。

老舗ブランドから、立ち上げ間も無い新進気鋭のブランドまで、総勢26ものブランドに出展いただきました。

会場は大きく3つに分かれ、商品が購入できるブースエリアと、シンボリックな取り組みを体験できるワークショップエリア、そして飲食を楽しむことができるバーカウンターをそれぞれ行き来しながら楽しむ催しです。 

焼酎の”いま”を知る、ワークショップ

今回お届けするワークショップレポートは、文化商店1日目の最終枠として実施された「焼酎の”いま”を知る、ワークショップ」です!

日本を代表する蒸留酒である“焼酎”。その伝統を重んじながらも味わいや体験の再定義に挑戦するSHOCHU X(ショウチュウエックス)が展開するワークショップ。それは焼酎の味わいを知る試飲を兼ねた体験型でありながら、参加者に歴史までも滲み渡らせる接続的な試みでした。

ワークショップにはSHOCHU Xと同じく文化商店に出店されていたカンナチュールの「珠玉のデリシャス缶詰」も登場。もうここまでお伝えすればどのような濃密な体験が展開されたかは想像も容易いことですが、イベント当日に参加者の多くは開けた扉の先にまさかここまでディープな世界が待ち構えているとは露知らず…

扉の先に広がるディープな焼酎の世界。その実態を是非ともお確かめください!

ワークショップ実施ブランド|SHOCHU X

九州発、長期熟成・高度数に特化した焼酎のボトラーズブランド「SHOCHU X」(ショウチュウエックス)
全国の唯一無二の製造技術を持つ酒蔵と、独創的な商品コンセプトで、「TRANSFORM SHOCHU」を実現します。

ブランドサイト:https://www.shochu-x.jp/

コラボレーションブランド|カンナチュール

日本各地の生産者や飲食店、食品メーカーの皆様と共創開発したデリシャス缶詰や自然派加工食品を届けるブランド「自然派食品缶詰カンナチュール」
カンナチュールは、世界中に増え続けていく日本食ニーズに対して、サスティナブルなものづくりを通じて、高付加価値なメイド・イン・ジャパンの商品をお届けし、日本産加工食品の流通を促進していきたいと考えています。

ブランドサイト:https://can-naturel.jp/

焼酎の歴史と文化は九州にあり

会場に足を踏み入れた参加者はみな一様にある一点に視線を引きつけられていました。
それもそのはず。会場のセンターテーブルには錚々たる顔ぶれの焼酎。

並べられていたのはワークショップ主催ブランドSHOCHU Xの焼酎のみならず、様々なボトルやラベルの焼酎の一団。
会場に訪れた参加者の方々は、さも豪華なディスプレイが配置されている。という印象を覚えたことでしょう。ワークショップが進むまでは運営メンバーもそう思っておりました…

マイクを手にしたのはSHOCHU Xの代表である橋本さん。(以下、橋本さん)自らを「焼酎野郎」と名指す橋本さんは、ワークショップを通して焼酎についてを熱く語ると宣言!
自ら立ち上げたSHOCHU Xの紹介に始まり、焼酎の歴史や土地との紐づきを順序立てて伝えていくワークショップの流れを冒頭で解説。

そして早々にはじまる試飲。
まず初めに提供されたのは橋本さんから飲みやすくカクテル的だと称されたコーヒー焼酎。SHOCHU Xの新作です!(今後のリリースをお楽しみに!)

同時に始まった橋本さんのプレゼンテーションですが、楽しみにしていたコンテンツの早速の提供開始に参加者の気はそぞろ…

参考|宝酒造 本格焼酎の紹介

焼酎は九州や沖縄といった温暖な気候の土地でこそつくられる日本特有の蒸留酒であり、九州や沖縄の中でも地域や素材によってつくられる焼酎が異なる。といった基礎知識が語られます。焼酎がどんなお酒であるかということを改めて知る方も多い様子で、皆さん試飲を片手に話に聞き入り始めていました。
焼酎の基礎知識は是非こちらのSHOCHU XのJOURNALをご覧ください。

九州から沖縄、焼酎の文化を北から南へかけて熱心に語る橋本さん。
参加者の興味の視線を前に徐々に熱量が増していくのが分かります。

配布された資料に視線を落としながら、橋本さんのプレゼンテーションを耳に、試飲の焼酎を口に、双方を嗜む参加者。

橋本さんの解説を追いかけるように実際にそれぞれの手元で九州や沖縄の地図を調べます。
体験と同時に行われるインプットこそワークショップならではの醍醐味。会場全体の集中力も高まります。

土地を巡るように飲む! with カンナチュール

焼酎の基礎知識、背景についての解説が一区切りついたところで、試飲は次の段階へ…!

北から順に紹介された九州の大地と呼応するように提供される産地ごとの焼酎。
SHOCHU Xの代表的な焼酎「NK麦759」も開栓!

経験者も未経験者も純粋な焼酎の味、そして試飲による香りや味わいの違いにまた驚きを隠せません。
ちなみに焼酎の飲み比べですからチェイサーとなる水は欠かせません。テーブルごとの配置にも抜かりはありませんのでご心配なく…

ストーリーテリングのようなプレゼンテーションと多様な焼酎の試飲に続いて登場したのはカンナチュール。
参加者が次々と開栓する焼酎に舌鼓を打っている合間にカンナチュールの代表である橋爪さん(以下、橋爪さん)が用意していたデリシャス缶詰が提供されます。

橋爪さんが用意したのはお肉の缶詰「大分冠地どり」。
焼酎の震源地でもある九州に合わせて選ばれた、大分県のブランド地鶏である「おおいた冠地どり」を使用した渾身の一皿が参加者の元に届けられました。

缶詰食品の概念を刷新するようなリッチな味わいと焼酎のペアリング。並走する橋本さんの熱のこもったプレゼンテーション。カンナチュールの試食を皮切りにワークショップの体験は更に加速…

珠玉のコレクション。白熱のプレゼンテーション。

ワークショップで振る舞われた焼酎はSHOCHU Xに留まりません。
冒頭の顔ぶれにあった希少な焼酎もまた文化商店という舞台の空気に触れることとなります。

焼酎好きにはきっとたまらないラインナップでしょう…
自宅に500本を超えるコレクションがあるという橋本さんが選んだ珠玉の焼酎がまた次々と開栓されます。

これでもかと次々と注ぎ続けられる焼酎。
少量ではありつつも、それぞれが強烈な個性を放つ名品揃い。

提供される洪水のような焼酎、橋本さんの熱弁をチェイサーで中和しながら受け止めていく参加者。
お酒も入ったせいかワークショップで初めて隣り合わせた参加者同士の会話も弾みます。

参加者の想像の上を行く、これでもかという圧倒的な体験。
笑いとともに会場全体も穏やかな温もりに包まれ、焼酎の文化や歴史、そして焼酎の豊かで多様な個性、知識と味覚が混ざり合って会場に浸透していく様でした。

余韻(試飲)は続くよいつまでも。

終盤では特殊な条件により国内で設定されたアルコール度数の上限を超えた特別な焼酎など、幻と謳われるような秘蔵の焼酎も振る舞われ、参加者が思い思いに気になる焼酎を注ぎながら橋本さんに声をかける質疑応答ならぬ試飲応答の時間も設けられていました。

会場全体の顔が赤いのは酔のせいか、橋本さんの熱に当てられたのか…
こうして参加者の体の芯まで火照ったであろうワークショップは、ほろ酔い混じりの拍手の中で幕を閉じました。

と、思いきや。ワークショップ後も個々に質問を行う参加者は続々と。
熱量溢れるピッチのようなプレゼンテーションに惹きつけられたのか、ワークショップの幕引き後も穏やかに試飲と談笑の時間は続くのでした…

焼酎が好きで好きでたまらない、その可能性を信じてやまない、まさに焼酎に魅入られた情熱のような存在である橋本さんが導くディープなワークショップ。今後も体験の機会があれば是非ともその扉を開いてみては如何でしょうか。

新商品のリリースも控えたSHOCHU Xの今後の活動にもご注目ください!

参加した方々の声

ワークショップ後には参加いただいた方々へのアンケートも実施しています。

アンケートでは試飲による焼酎の愉しみのみならず、体験が文化や歴史、土地といった背景理解にまで繋がったような感想が多く見られました。

特にワークショップで印象的だった橋本さんの熱意溢れるプレゼンテーション。文化商店の運営メンバーが感じていたように、参加者の方々にもその熱が伝播していたことがアンケートの回答からも伝わってきます!

アンケートの回答を一部抜粋して公開させて頂きますので、是非ご覧ください!

※公開許可を頂いたアンケートを掲載しております。

“日頃、製法など気にせず飲んでいましたが、くわしく教えていただきより興味がわきました。カクテル美味しかったです。”

“焼酎の歴史や作り方など知らないことが多く、世界が広がってとても楽しかったです!

たくさんの焼酎もいただき、おいしかったです。ありがとうございました!”

“とても勉強になり、ますます焼酎が好きになりました。”

“講師の方のお話がとても面白かったです。焼酎で島旅できた気分で楽しみました。続編やってほしいです。ありがとうございました。(後半は炭酸水がほしくなりました!)”

“豆知識と共にたくさんおいしい焼酎をいただいて楽しかったです。飲み比べ良かったです。”

“飲みながら、とお話をききながらの貴重な体験ができて、とても楽しかったです。特に、代表者さまのお話がすっと入りやすく、知識量も多く、とても勉強になりました!知らなかったことに対して、より興味を持つことができました。ありがとうございました!あと、ごちそうさまでした。”

“様々な種類の焼酎を試飲させていただき、以前よりも興味を持ちました。文化的な背景も知ることができて楽しかったし勉強になりました。”

“最高に有意義でした。たくさんの飲み比べ出来て、文化も知れて良かったです。”

“歴史のことがわかったのもおもしろいですし、熱量がとてもすばらしかったです。お酒って奥が深いですね。”

後日談、ワークショップを経てブランドが得たコト

文化商店後にはワークショップ実施ブランドとコラボレーションブランドにも体験談をお聞きしました。

ブランドが直接来場者と触れ合うことで得たこと、ワークショップを実施する中で気づいたことは何だったのか・ブランド自身が文化に近づく為に試みたワークショップ経験談としてこちらも是非ご覧ください。

ワークショップ実施ブランド|SHOCHU X

今後焼酎を飲むときに、あの時あいつがこんな事言ってたなと思い出してくれそうなくらい濃いワークショップが出来た気がします。
今回のワークショップは、初心者向けという感じの内容でやりましたが、”文化”を名乗るためには、お互いが勉強し合い、成長していかないといけないと思っているので、継続的にやりたい。
おつまみとして、カンナチュールさんに提供していただきましたが、このような形は両者にとっても良いなと思いました。

コラボレーションブランド|カンナチュール

ポップアップのように販売する場ではなく、ブランドとして表現する場を設けてくださったのが良かったです!
皆さん、楽しんでいたので面白いイベントだと思いました。

実商後記、文化商店に見た景色

焼酎の“いま”ならぬ焼酎野郎たる橋本さんを浴びるような時間。本ワークショップはまさかの人的体験の回だったと言っても過言ではないでしょう。何よりも橋本さんのプレゼンテーションがあってこそ焼酎への興味を深めた方が多くいたことはアンケートの回答からも明らかでした。
日本特有の蒸留酒でありながらもスポットライトを照らされ難い焼酎。
その可能性に自らの偏愛を注ぐ橋本さんの姿に、焼酎の社会的な価値の変革の兆しを感じずにはいられません。

今でこそWebやSNSのようなデジタル媒体を通して情報を瞬時に届けることができる時代。だからこそ温度の通ったコミュニケーションは物理的な場所でより一層の輝きを放つ。想いや熱意、探究心や共感。同じ場所、同じ時間で人と人が興味の扉を介して繋がり合う。ワークショップという体験の価値がまさに示されたような回でもありました。

本レポートを通じて、古来より伝わる焼酎からSHOCHU Xのように今の時代に生まれてくる焼酎、そして日本の誇る蒸留酒の文化に興味を持って頂けましたら幸いです。

SHOCHU Xやカンナチュールにご興味が湧いた方は、ぜひ以下より2ブランドの活動をご覧ください。

SHOCHU X(ショウチュウエックス)|https://www.shochu-x.jp/

自然派缶詰カンナチュール|https://can-naturel.jp/