つぐもり | 株式会社A.Y.Judie
循環型コミュニティ、つぐもりのブランディング
長野県小諸市にオープンした、浅間山麓から八ヶ岳と佐久平を一望できるカフェ・宿泊施設「つぐもり」の立ち上げにFRACTAが携わりました。 「八ヶ岳連峰と佐久平を一望できるこの土地を残したい」というA.Y.Judie会長 土屋順子氏の思いから、50年以上放置された耕作放棄地を2年にわたり整備し、誕生した循環型コミュニティ「つぐもり」。施設に対する想いや、打ち出したい商品のラインナップが明確にあったものの、伝えていくための基盤がないという課題から、ブランド戦略策定、ロゴの開発・Webデザインを含むアートディレクション、実装まで一貫した支援を行いました。
調査分析
肌で感じて、目にしたもの。事前調査で得られた気付き

軽井沢周辺施設の調査からプロジェクトをスタートしました。どのようなコンセプトで、どういったコンテンツで作られているのかという各施設の情報収集に加え、建設前に現地訪問を実施。自然と協和した循環型で継続性のあるコミュニティを目指し、現地の風景や雰囲気を目で見て肌で感じたことは今後のプロジェクト進行の大きなヒントになりました。 また、クライアントや施工会社を交えて施設に対する思いをヒアリングすることで、チーム全体としての結束力を高めていきました。

ブランド戦略策定
地域密着型スタイルと遠方客への訴求のバランスを意識したブランド戦略

ブランドビジネスとして成功させるために、クライアントのビジョンとビジネスモデルとの接続を調整しました。最も訴求すべきことは実際に現地に行って感じた肌感や時間の流れだと考え、それらをどのように商品やサービスに反映していくか、コンセプト策定をしました。つぐもりの目指す「実際に訪れた顧客が、癒しだけでなくいつもとは異なる場所で得られる"体験"を通して、自分の内面と向き合いながら新しい気付きを得られる場所」となるようプロジェクト進行をしました。

また地域密着型のスタイルは持ちつつ、県外から訪れる宿泊客にも興味・関心を持ってもらうという課題から、競合調査を踏まえてサイト内コンテンツの役割整理を行いました。都心からの訪問客をFRACTA側、周辺地域の訪問客はクライアント側で考案し、それらを擦り合わせた上でペルソナ設計やCJMをブラッシュアップしていきました。どのような動機で訪問し、どのようにカフェや宿泊施設を利用するのか、様々な場面を想定したシミュレーションを行い、訴求ポイントの擦り合わせを行いました。

コミュニケーション設計
原点を象徴に、長く大切にしていけるものを目指したアートディレクション

ロゴデザインは、つぐもり創設の原点である「八ケ岳の景色」をモチーフにすることで、クライアントにとっても訪れる方々にとっても長く大切にしていけるものを作りたいと考えました。「変化と循環を象徴する空」「不動の象徴である山」「対等の象徴であるつぐもり」の3つを要素とし、特に空を象徴的に使用することで「変化と循環」というつぐもりのテーマを表現しています。人を取り巻く状況や心情も空と同じく、晴れの日も雨の日も、良いことも悪いことも、変化し巡っていきます。つぐもりに訪れる人が、あるがままの自分を認め明日に向かって変化していけるように、つぐもりの想いをロゴに落とし込んでいます。 また、ビジュアルは「景色」と「人との関わり」に焦点を当て撮影しています。訪れてみたくなる街の中の豊かな自然を美しいトーンで表現し、訪れる人・働く人誰もが対等に存在する場所であることを、さまざまな人に焦点を当てることで表現しました。

実装・自走体制構築
何を大事にしていくのか。目的を見据えたサイト設計と運用体制づくり

クライアントの実現したいことは多岐に渡ったため、まずは情報の整理を行いました。つぐもりにおいては人と人との良い連鎖、循環が生まれることを大切にしていたため、コンテンツの棲み分けを施設の機能と循環への想いに分けることを提案して設計していきました。つぐもりという場所を次の世代に繋いでいくためには、多くの人々に土地の良さを体感いただくことが重要であると考え、宿やカフェの情報はメニューやサービス内のアクセスしやすい場所に置き、より多くの来訪を促す設計としました。一番大切にしたい循環への想いは丁寧に伝える必要があったため、つぐもりやそこで関わりを持つ人々の魅力を伝えるコンテンツを設けました。 また、撮影やコンテンツ更新時にサイトのトーン&マナーに沿った形で作成できるよう、ガイドラインを作成。少人数で運営するクライアントの運用体制の中で、更新しやすいサイト設計・運用体制づくりを心がけました。

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