ブランド立ち上げに至る背景や経緯のヒアリングや、試食会を通じてメイン商材である「五郎兵衛米」の玄米への理解を深めながら、ブランドの方向性を固めました。玄米を普段食べない人でも感じる「五郎兵衛米」特有の甘みや、想像よりも食べやすいといった気づきを得た一方で、味の好みは人それぞれであることから、素材そのものである「玄米」で差別化を図ることの難しさや、白米よりも炊飯時間が掛かるなど継続のハードルも明らかになりました。 その中で、ブランド立ち上げの背景にもある藤原氏の実体験から生まれた「挑戦する意欲や前向きな気持ちのベースには健康がある。主食であるお米を変えることで、無理なくおいしく自分らしく健康になってほしい」という思いに立ち返り、「日々の生活へ取り入れやすく、継続性があること」に重きを置いたブランドづくりを目指しました。 毎日の生活で無理なく玄米を取り入れるため、精米割合によって食べやすさや栄養価がかわる分づき米にフォーカス。お米の成分分析を行い、栄養豊富な玄米と食べやすい白米のいいとこどりをした、分づき米の黄金バランスを追及し導き出された独自の精米割合によって、ブランドの象徴となるシグネチャープロダクト「BALANCEMAI」が誕生しました。GENMAI、BALANCEMAI、HAKUMAIの3つの商品展開で「自分にあうお米を選ぶことで、毎日無理せず続けられるから健康になれるお米ブランド」というコンセプトを体現しています。 各プロダクトにおいて重要な要素となる栄養価と、「炊きやすさ」や「美味しさ」をグラフで可視化することで、これまで玄米に持たれていたハードルの高さを解消し、自分に合った商品を選びやすくしています。
玄米には全てのベースとなる健康を、無理なくおいしく自分らしく実現してくれる力がある。といったブランドの根幹となる思想を深く理解し、コミュニケーション設計に反映していきました。ネーミングでは「MAI=米、自分(My)」のダブルミーニングと、「TUNE=整える」を掛け合わせ、玄米を通じて自分の毎日を整えていくことをシンプルに表現しています。
クリエイティブ設計では、「玄米で、おいしく楽しく健康に」という指針を元に全体設計とデザイン実装を行いました。 玄米・バランス米・白米の形を絵合わせに見立てたロゴは、「自分に 合うお米を見つけ、楽しみながら生活を整えてほしい」というメッセージを込めています。精米割合で変わる分づき米の特徴を生かし、3つのお米それぞれのかけ具合を変えていることもポイントです。 キービジュアルにも、お米の魅力が引き立つ「ご飯のお供」が大集合し、お米のある生活の豊かさや楽しさを、温かみのある世界感で表現しました。 また、メインプロダクトであるお米において「おいしそう」であることは重要なポイントでした。お米が食べたくなるシーンを思案し、「ご飯のお供」を用いてご飯の魅力をより引き上げる撮影ディレクションを行いました。 プロジェクト終了後も統一した世界観の演出とブランド自走ができるよう、思想やコンセプトの部分から、ロゴ・ブランドカラーなどの世界観訴求に渡るまでを包括したガイドラインの制作も行いました。