昨今梅風味の加工商品が増えたことで、梅本来の需要が年々減少。さらに価格低下が相まって梅産地の後継者問題が深刻化しています。 「蝶矢」は梅の新たな価値を創造し、日本の梅文化を次の世代に継承することを目指しています。体験を通じて、より多くの人に全国各地の個性豊かな梅を知って興味を持ってもらうことが重要でした。実店舗に来店できるお客様は限られていることもあり、オンライン上でも同じように梅体験を提供できることをゴールに据え、プロジェクトがスタートしました。現行ECサイトの課題を洗い出し、顧客体験を高めるコンテンツや機能の実装を目指しました。
本プロジェクトで大切な「体験」の軸や価値の理解を深めるため、鎌倉にある実店舗への訪問とECサイトでの購入体験を実施。オンライン・オフライン双方の梅体験を経て、軸となるポイントを「素材選びの楽しさ」「味わいの違いを感じるテイスティング」「日常では知り得ない情報を提供してくれるコンシェルジュ」と定義し、ECサイト上のコミュニケーション設計にも反映していきました。実装した診断コンテンツは、梅・砂糖の様々な種類を知ることができる・楽しめるといった、実店舗で体感した素材選びのプロセスを踏襲しています。「実店舗同等の体験をオンライン上でも提供したい」といった想いを持つ代表 菅様と共にペルソナ策定やカスタマージャーニーマップを作成。店舗/ECで体験した蝶矢の魅力と掛け合わせながら高付加な顧客体験となる軸を設計していきました。
プロジェクト開始時の課題でもあった導線設計の改善と情報の一元化、また蝶矢独自の世界観を統一して表現するため、コーポレートサイトとECサイトを統合。統合にあたり、考えられるサイトマップを複数作成し、カスタマージャーニーから導き出された商品の選び方、購入の際の確認ポイントやユーザーインタビューの結果を踏まえてサイト全体構造や内容を決定していきました。 細い罫線と縦書きのタイポグラフィをベースに、伝統的な和の雰囲気を大切にしながらもモダンな佇まいになるように、余白を広めにとり細かいインタラクションを設定することで情緒的な雰囲気を演出。店舗やパッケージのトーン・マナーを踏襲し、ブランドに沿うサイトデザインを目指しました。