BERING | アイ・ネクストジーイー株式会社
北極の美しさとデンマークデザインの機能美を調和させたブランドコミュニケーション設計
北欧の輸入腕時計や雑貨を展開するアイ・ネクストジーイー株式会社。北極にインスピレーションを受けたデンマークの時計ブランド「BERING(ベーリング)」のブランド再定義からコミュニケーション設計、ブランドサイトリニューアルに携わりました。
調査分析
外部からみて気づいたプロダクトの魅力的な側面

FRACTAにプロジェクトを依頼いただくにあたり、同社が課題に感じていたことはブランドの認知度とブランドの魅力の伝え方でした。FRACTAではこの課題を解決するため、まずは店舗視察と販売員の方々へヒアリングを行いました。視察前にはクライアントより「BERINGの特徴はシンプルで誰にでも似合う良さがある」というブランドイメージを伺っていましたが、実際に商品を見てみるとカラーバリエーションの豊富さやマテリアルの輝くような美しさ、個性的なデザインがこのブランドの魅力だと実感しました。ヒアリングの内容やこの視察での体験ももとに、BERINGの北欧時計業界におけるポジショニングを整理。シンプルなデザインが人気を集めている市場のなかで、カラーリングやマテリアルの良さを打ち出し独自性を高める工夫をしました。また、体験で感じたことはクライアントにも共有し、これまで焦点が当たっていなかったBERINGの魅力も改めて認識していただき、前向きにプロジェクトへ取り組んでいただけるように意識しました。

コミュニケーション設計
ブランドが大切にする北極の美しさへの想いを丁寧に描く

BERINGの立ち位置を定めてからは、ブランドコンセプトの方向性を定義していきました。定義にあたり、これまでバラバラになっていた要素を芯の通った情報にする必要がありました。そこで、BERINGが大切にしたいと考えている「アークティックビューティー」ー北極の美しさにインスピレーションを受けている、というブランドストーリーを軸に据えることとしました。ブランドの伝えたい想いを中心にすることで、ブランドの発信に一貫性がでることや、機能性への納得感の醸成を考慮しています。その際、BERINGと北極との関係性を創業者起点で表現することをご提案。創業者が魅了された北極の美しさとデンマークデザインの調和、そして機能美が融合したブランドであることをブランドサイトのストーリーページで表現しています。

北極からのインスピレーションと時の流れを動的に表現

ブランドコンセプトの理解促進のため、ブランドサイト内では北極からのインスピレーションやブランドストーリーは「Story」ページに、デンマークデザインに関しては「Design」ページへわけて丁寧に解説しながら、相互にページを遷移できる動線も設けました。 トップのビジュアルでは左側に北極の風景を、右側にデンマークデザインを象徴する時計を配置し、ブランドのアイデンティティを示しました。切り替えのエフェクトにはWebGLを使い、ざらっとした北極の光のようなエモーショナルな世界観を表現しています。 アニメーションは時計を想起させるように円を描くような細かなマイクロインタラクションを採用し、常にどこかが動いていることで時間の流動性を感じさせる演出を実装しています。

実装
既存の情報を活かしながら利便性を向上させるサイト設計

従来のブランドサイトでは、情報は豊富にあるけれどそれぞれの紐付きが弱く、目的の情報に辿り着きにくい状態でした。そこで情報をまとめたり、どのページからでもメニューへ遷移できるようにしたりと、いまある情報でサイト内の回遊性が上がるような改修を行いました。特に商品一覧ページにおいては、もともとシリーズ名と性別でのソートが設定されていましたが、新たに色や特徴などのカテゴリを追加し、検索性の向上も図りました。 また、ギフト需要の高さや、実物を見たり試着してから購入したいとの声が多いことを考慮し、商品詳細ページに「リンクを送る」ボタンを設置したり、問い合わせへの動線を確保して顧客体験価値を上げることも意識しました。 運用面では、クライアントは当初より自分たちで運用を実施したいという思いを持っていたため、内製できるようにLPパターンの作成や、更新頻度の高い箇所へのアクセス性を担保しました。運用マニュアルも作成しつつ、管理画面のなかに運用におけるポイントを記載して管理ハードルを下げています。

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