こどもの頃にあった身近なデザイン

こどもの頃にあった身近なデザイン

はじめまして。
AD(アートディレクター)/デザイナーをしている、西能です。

11/20は、「世界子どもの日」。

今回は子どもの日にちなんで、「あなたがこどもの頃に関わったことのあるデザイン」をテーマに記事を書いています。

みなさんは「デザイン」と聞くとどんなイメージを思い浮かべますか?
「じぶんは絵をかけないし・・・」
「なんか色々なアイデアを考えていて、すごそう」

もしかしたら、自分とはあまり関係がない、身近ではないものだと感じるかもしれません。

いやいや。そんなことはありません。
デザイナーでなくとも、デザインはあなたが子どものころから深く関わっています。

例えばお菓子のパッケージ。

カラフルな色彩が用いられ、子どものほしい!食べてみたい!と思う気持ちが掻き立てられるように工夫されていたり、変わったかたちのパッケージにして興味をひかせたり。子どもの頃に、薬のようにプチプチと一つずつ外して食べるチョコやにんじん型のパッケージの米菓子をほしいと思った方も多いのではないでしょうか?

デザイナーはそのパッケージが購入者からどう見られるかを考えながら色やかたちを考え、商品を見たときに食べてみたい!と思わせるようなデザインを考えます。

また、Webデザインの場合なら、ページやボタンがどの位置にあると心地よいか、どんな色やフォントを使うかを考え、サイトを見ていて「使いやすいな」と感じられるようにUI/UXデザインを行います。

今回は、あなたが子どものころから深く関わっているものの中でも、以下の3つを中心にデザインについてお伝えしていきたいと思います。

①おもちゃ
②絵本
③ゲーム

①おもちゃ

おもちゃで有名なのが、デンマークに本社を置く「LEGO」です。
みなさん、一度は遊んだ、もしくは触ったことがあるのではないのでしょうか。

デンマークのある北欧は「北欧デザイン」と言われることもある、自然を感じさせるあたたかみのあるシンプルなデザインが有名です。

たった1つのレゴからイメージされる影がつけられた広告。
シンプルな作りでも、想像力を広げることによって楽しめるおもちゃであることがダイレクトに伝わる広告です。

LEGOは、小さなブロックを使って自分だけの空間やモノを作れるおもちゃです。
ブロックを組み合わせたり、色々な形に組みかえたりして、自分のアイデアを実現できます。遊びながら考えたり、友達と一緒に作品をつくったりすることで楽しさと想像力が広がる行為は「デザイン」といえます。

②絵本

絵本もデザインが大きな影響力を与えるものです。私は「ぐりとぐら」「からすのパンやさん」「はじめてのおつかい」「ぐるんぱのようちえん」が大好きでした。(たべる系がおおい!くいしんぼうですね笑)

絵本は、イラストレーター・もしくは絵本作家など、絵を描くことを生業としている人がつくることが多いですが、実は著名なグラフィックデザイナーも絵本をつくっています。

「ぐるんぱのようちえん」は、雑誌の「an・an」や「POPEYE」「BRUTUS」などのロゴデザインを手がけたことでも知られる、グラフィックデザイナーの堀内 誠一さんが作成していたり、「スイミー」「あおくんときいろちゃん」などの作者として知られるレオ=レオニさんは、絵本作家になる前は広告代理店や新聞社でグラフィックデザイナーとして活躍していました。

「きりのなかのサーカス」という絵本は、グラフィックデザイナー・絵本作家以外に様々な職種でも活躍していたブルーノ・ムナーリさんがつくっています。
様々な仕掛けが工夫されていて、デザイナーを目指す人にもおすすめの一冊です。

また、ミッフィー(うさこちゃん)をつくったオランダ出身のディック・ブルーナさんも絵本作家・グラフィックデザイナーとして活躍しました。
あたたかみのある手がきの線、はっきりした色使い、シンプルで思いきったレイアウトの作品で、世界各国の子供から大人まで、世界中の人に愛されています。

絵本は子どもが遊ぶアイテムの中で最も視覚に訴えるものの一つなので、色彩のバランス感や、どこに文字を配置するとレイアウトが綺麗に見えるかがデザイナーの腕の見せ所です。

③ゲーム

私が子どものころは小学生ごろからゲーム機で遊ぶことが多かったと記憶していますが、いまはデジタルネイティブ世代。小さい頃からタブレットやスマホなどのデバイスに親しみ、ゲームをすることも多そうです。

ここでもデザイナーを含め、色々なクリエイターが関わっています。

イラストレーター:ユーザーに愛されるゲームのキャラクターを生み出す
UIデザイナー:プレイヤーが直感的かつ楽しくゲームを操作できるよう、画面上のオブジェクトや要素を考え、デザインする
UXデザイナー:ターゲット層がその商品で満足してくれるためにどんな世界観や体験を構築するべきかを検討する
サウンドデザイナー:ゲームの魅力を最大化するためにゲーム内で使われる音楽や効果音を制作する

ゲームでは、一連の流れがいかにきれいにつながるかが重要なため、デザインも世界観などを含めた様々な要素を複雑に絡めながら一つの体験として設計していくことが求められます。

このように、一口にデザイナーと言ってもその役割はさまざまです。
FRACTAにおいても、デザイナーの中でもロゴやKV、パッケージデザインを得意とする人、Webデザインを得意とする人など、それぞれ得意分野がありますが、トータルで1つの世界観を演出できるようにアートディレクターがしっかりとディレクションします。

ここまで読んでみていかがでしたでしょうか?自分が子どものころから関わってきたものから考えてみるとデザインが身近なものに感じると思います。

これはどんなデザイナーがつくり、どんな工夫がされているのか?という視点で観察してみると、よりデザインへの理解が深まるかもしれません。