【Shopify Changelog】Shopify Editions Summer‘23 特集

【Shopify Changelog】Shopify Editions Summer‘23 特集

こんにちは!FRACTAのResearch & Implementation(RI)局です。

暦の上では秋ですが、まだまだ暑い日が続きます。
今月はいつものShopify ChangelogのUpdateをお休みして、「Shopify Editions Summer ‘23」特集をお届けします。


◎Shopify Editions とは?
ECプラットフォームであるShopifyが年に2回行うグローバルプロダクトリリースです。
Shopify Editions Summer ‘23」は日本時間の7月27日午前0時に公開され、今回も100種類以上のアップデートが発表されました。

今回の発表では10項目について言及があり、Shopify Editions Winter ‘23同様に、先行してChangelog等で公開されていた機能も多く含まれていました。各項目についてRI局が着目したトピックスをご紹介します!
(本発信では“日本国内で展開するマーチャントに対し影響がある内容”をターゲットとしています。)

 

 

01. コマースのためのAI 

トピック:Sidekick - ビジネスをしっかり支えるSidekick

日常的な会話でストア運用に関わる様々なことを相談できる相棒としてのAI機能「Sidekick」の搭載が発表されました。

商品情報作成、ストア分析からストアのデザイン変更に加え、例えば従来はヘルプページなどで都度確認していたようなトピックについても口語的に尋ねると即座に教えてくれるようです。正式リリースが待ち望まれます。

※「Sidekick」は2023/8/15現在、早期アクセスの申込が可能です


https://www.shopify.com/jp/magic?itcat=summer-23-editions-page&itterm=ShopifyMagic-Featured;itterm=Sidekick-Inline-Featured

Sidekickに話しかけると、ディスカウントコードの自動生成ができたり、アイディアやヒントがもらえます。

 

02. 世界で最も優れたチェックアウト

トピック:カートとチェックアウトでのサーバ側検証機能が完全リリース 〈Shopify Plus〉

チェックアウトページ内にて、ストアの設定値や顧客が入力した情報等に基づいた条件で、チェックアウトの進行をブロックできるようになりました。

例えば、特定の商品を購入できるのはアカウント保持者に限定し、ゲストの購入をブロックするといったことができます。
今までこのようなカスタマイズはフロントレベルでのブロックであったことから度々すり抜けが発生していましたが、本機能はサーバーサイドでのブロックになり、すり抜けが発生しません。

※2023/10時点ではカスタムアプリのみ対応

 

03. あらゆるお客様に販売

トピック:Metaobjects-メタオブジェクトによるカスタムランディングページ

メタオブジェクトに登録したデータを、オンラインストア>テーマ>カスタマイズ(テーマカスタマイザー)でカスタムランディングページを作成できるようになりました。

これまでも例えば実店舗が複数あるストアの店舗ページを作成する際は、ページビルダーアプリを使用したり「Pages」を使って静的に作成をしていました。
店舗情報用のメタオブジェクトを作成し各店舗情報を登録しておき、どれか1つの店舗ページをテーマカスタマイザーで作成すると、他の店舗ページも同じフォーマットで同時に生成されます。

テーマカスタマイザーでセクションを設置して作成するので、テンプレートを使用すれば、特定の店舗のみ特別な表示も可能です。

 

04. アプリ開発

トピック:直接APIアクセスによる管理画面UI拡張機能のご紹介

今までアプリ機能はアプリ管理画面から実行する仕様でしたが、Shopify管理画面内にアプリ機能を実行するUI、アプリで集計したデータ等の表示を組み込めるようになりました。

これによりマーチャントは、管理画面でシームレスに操作することができます。現状、このようなアプリ開発ができるようになった段階なので、アプリのアップデートやリリースが待ち望まれます。

 

05. SHOPチャネル

トピック:Shop App-Shopストアを数百万人のモバイル購入客向けに最適化

AIの導入やチャネルを跨いだカスタマーレビューのアップデート、サインアップ・サインインフローの改善などを含め、Shopアプリ利用者に向けた購入体験が向上されました。
さらに、Shop Minis(※)を活用することでShopアプリ上でのライブ販売等の導入が可能になるなど、より没入的な体験が実現できるようになります。

※「Shopify Minis」はショッピング体験を構築するためのプラットフォームです。Shopストアへのライブ配信、投稿内容からの直接購入、サイズ表、といった機能を追加できます。

「新しいお客様アカウント」を有効にすることで、Shopへのログインを促し、購入機会を創出します。

 

06. フルスタックマーケティング

トピック:Shopify Inbox-顧客とのチャット記録を検索

キーワード、顧客名、メールアドレス、注文IDなどの検索ワードを入力してチャット記録を検索できるようになりました。過去のメッセージを参照したり、再びコンタクトをとることができるようです。

また、チャット回答にもShopify Magicが導入され、より沢山の顧客に対してのサポートができるようになります。

※2023年8月15日現在、対応言語は英語に限定されています

Shopify Magicでパーソナライズされた回答を即時に生成できます。

 

07. B2B販売

トピック:B2B on Shopify 〈Shopify Plus〉

Plusマーチャント向けのB2B用機能がさらにアップデートされました。

クレジットカード情報の保存や法人アカウントリクエスト機能、APIアップデートなど、卸売機能を利用するマーチャントと顧客にとってより便利に売買できるよう配慮されています。2024年4月末に予定されているPlus用卸売チャネルの削除に伴い、Shopify B2Bへの移行のためのツールもリリースされました。


https://help.shopify.com/en/manual/shopify-flow/reference/triggers/company-location-created?itcat=summer-23-editions-page&itterm=B2BAutomation-Inline-location-created

Shopify Flowで「Company location created」トリガーが追加され、B2B向け機能が強化されました。

 

08. 資金の管理

トピック:クレジットカード情報を安全に補完し、より簡単に販売に繋げる新しい方法

こちらは前述のB2BではなくB2C、D2C向けです。
顧客が一度支払いをしたクレジットカード情報をストアに直接保存できるようになります。必要に応じてアカウント内から支払いの詳細を直接編集することもでき、チェックアウト時の顧客体験がよりスムーズになります。

これまでShopifyペイメント上でもクレジットカード情報の保存はできましたが、ストアに直接保存できるということで、Shopifyは安全性が担保されたプラットフォームであるということがより明確になるかと思います。

※2023/8/15現在、早期アクセスの申込が可能です


https://www.shopify.com/editions/summer2023?product=payments-vaulting

 

09. 注文とフルフィルメント

トピック:Planet App-全ての注文に対してカーボンニュートラル配送オプションを提示

ECの広まりに伴い懸念されるのは、配送時に排出される二酸化炭素排出量の増加です。この度リリースされたPlanet Appをストアに追加することで、全ての注文に対してカーボンニュートラル配送のオプションを提示することができます。

具体的な例を挙げると、以下の通りです。

  • 二酸化炭素(CO2)を大気から回収して貯蔵する革新的な会社に資金を提供し、配送をカーボンニュートラル化
  • オンラインストアに地球のバッジを追加し、お客様にカーボンニュートラルな配送への取り組みをアピール
  • カーボンフットプリント、総配達距離、あるいは除去した炭素量などの分析にアクセスが可能

ストアにアプリを追加したら、3つのプランから1つを選択します。

アプリを追加すると、このようなワッペンを表示することができます。

 

10. 日常業務

トピック:レポートとストア分析をカスタマイズ

ストア分析機能のダッシュボードのカスタマイズやコホート分析レポートの絞り込みができるようになりました。

ストア分析のダッシュボードをカスタマイズすることでよりストアにとって重要な指標の表示ができ、指標カードの並べ替えや追加、削除などもできるようになります。また販売チャネルやマーケティングチャネルではコホート分析レポートの絞り込みができ、ロケーションなど特定の顧客基準で細分化することも可能です。

コホート分析では細かな絞り込みも可能です。

 

Shopify独自のAI機能であるSidekickや、マーチャントの日々のストア運用に必要な分析機能、B2B機能の拡充と今回も幅広い機能のUpdateがありました。

Shopify Engineering Blogで「Shopify’s platform is the Web platform」と書かれているように、ShopifyはECプラットフォームの枠を超え、Webプラットフォームに進化していきます。ベースとしてのEC機能の進化とともに、プラットフォームとしての進化にも今後ますます注目していきたいですね。

 

いかがでしたでしょうか?

FRACTA RI局では引き続きShopifyの機能的動向に注目し、検証を進めていきます!
ぜひ毎月、チェックしてみてくださいね。