カルチャーデザイン、してますか? 【#003:注意するポイントと成功度の測り方】

カルチャーデザイン、してますか? 【#003:注意するポイントと成功度の測り方】

企業におけるカルチャーデザインの重要性とその手法についての連載の最終回です。

▶第1〜2回目はこちらです。
#01:定義と事例
#02:導入のステップ

 

カルチャーデザインを導入する際に避けるべきポイント

企業がカルチャーデザインのプロジェクトを実施するのは大変な作業かもしれません。ある企業は正しいステップを踏みながら実施するかもしれませんが、ある種の間違いのために失敗する可能性もあります。このセクションでは、企業でカルチャーデザインを実施する際に避けなければならないポイントについて説明します。

従業員の意見を取り入れない

従業員の意見を軽視することは、企業がカルチャーデザインのプロジェクトを実施しようとする時に犯す最も重大な過ちの1つです。なぜなら、従業員こそが企業文化の担い手であり、そのプロセスに参加することが不可欠だからです。従業員をプロセスに参加させないことは、実施されるものと従業員が必要とするものとの間に乖離を生じさせる可能性があります。

価値観と行動を一致させることができない

また、価値観と行動を一致させることができないことも、企業が犯しやすい失敗の1つです。価値観を紙に書くことと、それを実践することは全く別のことです。価値観を行動で裏付けなければ、従業員はその偽りを見抜き、会社に対する信頼を失ってしまいます。行動は言葉よりも雄弁であり、社員はそのことに注目します。

過剰な約束と過小な提供、上っ面だけの行動

過剰な約束と過小な提供は、カルチャーデザインを導入する際に企業が犯すもう1つの過ちです。特に従業員の福利厚生や企業文化の変化に関しては、守れないような約束はしないようにしましょう。約束が守られないと、幻滅を招き、企業への信頼が失われる可能性があります。もちろん、この過ちは顧客に対しても当てはまります。実現不可能な約束、言葉だけのサステナビリティ貢献など、顧客はすべて見ています。上っ面だけの「行動」が伴わない、実装できないコンセプト、ただひたすら破り続けられる「約束」は、カルチャーデザインに取り組む前よりもむしろ企業の信頼を喪失させるきっかけになりえます。

変化への抵抗を無視する

そして最後に、変化への抵抗を無視することも、カルチャーデザインのプロジェクトを水泡に帰すことになりかねない過ちです。変化は難しいものであり、どんなに素晴らしいアイデアであっても、全員が賛同してくれるわけではありません。

しかし、変化に抵抗する人を無視してしまうと、従業員からの賛同が得られず、新しいカルチャーデザインプロジェクトを進めることが難しくなってしまうかもしれません。無視するのではなく、伝えるべきことをしっかりと伝え、理解を促すべくあらゆる手段を講じましょう。

それでも理解しあえない時も当然あります。その時はお互いに落とし所を探るしかありません。もしかするとその当事者は退職を選ぶことになるかもしれません。例えそうなったとしても、誠実に説明し、ディスカッションすることは忘れないでください。その時の経験は企業が生き残るために継続的に変化する際の重要な遺伝子となります。

カルチャーデザインプロジェクトを実施する際には、こうした失敗を避けることが重要です。従業員の意見を取り入れ、価値観と行動を一致させ、約束を守り、変化への抵抗を考慮することが、あなたの会社がカルチャーデザインの試みを成功させることにつながります。

次のセクションでは、カルチャーデザインの成功を測定する方法について説明します。

カルチャーデザインの成功度を測る

新しい企業文化の創造や古い企業文化の変革は複雑なプロセスであり、変化が生じるまでにはしばらく時間がかかることがあります。このカルチャーデザインプロセスの成功を測るには、目標や目的に対する進捗を評価する必要があります。効果的な測定は、カルチャーデザインを軌道に乗せるだけでなく、望ましい成果を達成するために社員のモチベーションを維持するのに役立ちます。ここでは、カルチャーデザインの成功を測定する際に注目すべき主な指標を紹介します。

従業員エンゲージメント

カルチャーデザインを成功させるための最も重要な尺度の1つが、従業員エンゲージメントです。従業員エンゲージメントとは、従業員が自分の仕事や会社に対してどの程度コミットしているかを示すものです。従業員の価値観と会社の価値観がうまく合致していれば、従業員エンゲージメントのレベルは高くなります。従業員のエンゲージメントが高ければ高いほど、従業員が会社に積極的に貢献する可能性が高くなり、最終的にすべての人にとってより生産的で満足度の高い職場環境となるのです。

離職率

カルチャーデザインの成功を評価する際に追跡すべきもう1つの重要な指標は、離職率です。定着率の高い企業は、職場文化や評判が良い傾向にあります。離職率が高いということは、企業文化が従業員の価値観と合っていないことの表れであり、そのため従業員は会社を去っていくのです。離職率が下がるということは、企業文化の設計が組織に良い影響を与え、効果的に機能している証拠です。

収益性

企業の収益性は、収益を生み出し、安定したキャッシュフローを維持し、経費をコントロールする能力を反映しています。収益性の向上は、文化設計が会社の財務的成功に貢献したことを示す優れた指標です。従業員が価値を感じ、会社の価値観とつながっていると感じれば、生産性や革新性が高まり、結果として収益や利益率が向上します。

◎収益向上のサイクル:
ミスマッチングが減る → 採用効率が上がり、人事の負担が減る → 不必要に求人広告や人材紹介に依存しなくなる → 離職率が減る → 育成コストが適正化される → 企業全体の利益率が向上する

顧客満足度

顧客満足度は、あらゆるビジネスにおいて重要な指標です。顧客満足度が高い企業は、健全な企業文化を有していることが多い傾向にあります。つまり、質の高いサービスや製品を提供できる可能性が高いということです。カルチャーデザインによって、個人的な交流やコミュニケーション、共感を大切にする優れた職場環境が実現されていれば、それは顧客満足度にも波及します。幸せな従業員は、質の高いカスタマーサービスを提供する可能性が高く、結果的に顧客満足度の向上につながるのです。

会社の評判

カルチャーデザインの成功の究極の指標は、会社の評判です。良い評判や信頼は時間をかけて築かれるものですが、簡単に損なわれてしまうものです。カルチャーデザインがうまく機能している職場は、従業員の幸福につながり、同様に従業員と顧客の両方からポジティブなクチコミマーケティングをもたらすことができます。強い企業文化を築くには時間と労力がかかりますが、その評判は自ずと明らかになります。

結論として、企業文化の設計プロセスを成功させるためには、これらの指標を追跡することが重要です。これらの指標を測定することで、優れたカルチャーデザインプロセスの望ましい結果に集中し続けることができます。カルチャーデザインの成功は、生産性の向上、従業員の定着率や満足度の向上、そして最終的にはビジネスの繁栄など、企業におけるポジティブな変化を促進することができます。

まとめ

全3回にわたりお伝えしてきましたが、企業におけるカルチャーデザインの重要性について、ご興味を持っていただけましたでしょうか? カルチャーをうまくデザインすることで、従業員のエンゲージメントを高め、業績を向上させ、好評を得ることができます。しかし、それは簡単なことではなく、多くの努力と献身が必要です。

企業でカルチャーデザインの導入を始めるには、まず現在のカルチャーを評価し、達成したい望ましいカルチャーを特定することから始めます。次に、アクションプランを作成し、従業員に変化を伝えます。自社の価値観と行動を一致させ、守れない約束はしないことが重要です。また、従業員の意見を考慮し、変化に対する抵抗があればそれに対処することも大切です。

何がうまくいっていて、何を改善する必要があるのかを判断するためには、カルチャーデザインの成功を測定することが重要です。従業員のエンゲージメント、離職率、収益性、顧客満足度、会社の評判を記録しておきましょう。これらの指標を測定することで、データに基づいた意思決定ができ、それに応じてカルチャーデザインを調整することができます。

まとめると、企業においてカルチャーデザインはますます不可欠になっており、それを正しく実施することが極めて重要です。共有された価値観、明確なミッション、効果的なコミュニケーション、共感、学習機会などを取り入れることで、企業はポジティブな従業員体験を作り出し、全体的なパフォーマンスを向上させることができます。従業員の意見を取り入れない、過剰な約束と過小な提供、変化への抵抗感を無視する、などの間違いを避けることを忘れないでください。献身的な努力によって、関係者全員に利益をもたらす、優れた文化を実現することができるのです。

カルチャーデザインはインターナルブランディングの一環として扱われることもありますが、単体でもプロジェクトとしてはとても長大で重要なものです。そして何よりも「ほとんどを自分たちで考え、生み出していかなければならない」という点がとても難しいとも言えます。

でも、その困難の先には必ず大きな成果があるのがカルチャーデザインを試みる魅力とも言えるので、今回の記事で興味を持っていただけましたら、ぜひチャレンジしてみてください!

最後に、この記事を読んで自社でもカルチャーデザインを実施したい!と感じたみなさまへ、FRACTAではワークショップや講座を通して企業文化を浸透させるインターナルーブランディング支援も実施しています。自走できる組織体制を目指して一緒にチャレンジしたいとお考えの方はぜひお気軽にご相談ください!

最後までお読みいただき、ありがとうございます!