仕事柄FRACTAへの依頼相談や他社さまの様々なお話を伺うことが多いので、今回は仕事を一緒にする”ビジネスパートナー”を見つけるための”企業探し”について書こうと思います。
FRACTAとは関係無く、デザインやブランディング、EC、その他マーケティング・システム開発・コンサルティング支援等をしている会社を探すことになりそうな方に、何かしら参考になればうれしいです。
どんな時にビジネスパートナー探しを始めるか
他社に業務依頼することを前提としてプロジェクトが動きはじめようとしている場合、理由や状況によっては、「本当に社内で進行できないことなのか?」と見直してみても良いかもしれません。
ある仕事の目標を達成するために他社を巻き込もうと考える理由として、主に次の6つが考えられます。
(1)〜(3)が理由となっている場合、企業への依頼をする前に一度検討をしてみても良いと思います。
スキルやリソースが”足りていないと思っている”だけの可能性があるからです。
最低限のリサーチをする前から、なんとなく「凄く難しいことが必要だ」と考えてしまっている、ということもあるかもしれません。
こちらについては、普段意見を聞かないような社内外の方に(立場を超えて)客観的な意見を募ってみていただいたり、シンプルに関連キーワード検索や書籍等で情報収集をしてみていただいたりすると、意外な人材や方法を発掘できることがあります。
もちろん、ここに労力をかけすぎる必要は無いですが、状況を把握しなおしたり、目標に近づくためにどのような方法がありそうか仮説を立ててみたりすることで、冷静な判断がしやすくなります。
業務の再配分や配置転換、特定スキルの勉強・育成、人材採用等でクリアできるパターンも有り得ます。
※関係者への意思確認は必須になると思います。
目標となっている締切についても、ゴールが”その時期である理由”について立ち返ってみても良いと思います。よくよく確認したら「実はそこまで急ぐ理由がなかった」と判明する場合もあります。
自社内だけで進行することについては、推奨も非推奨も無く、ケースバイケースです。
ただ、スキルとリソースに加えて予算も無い場合は、上手く現状の資産を活かしつつ「先ずはテストマーケティングをしてみる」という意味も含めて、小規模で自社内でやってみることを検討しても良いと思います。
プロジェクトを成功に導くために〜マッチするパートナー企業探しの基準〜
社内検討した結果、企業選定をすることが決まった時、
もしくは前項(4)〜(6)のように、積極的なパートナー探しをする場合、
次のような項目を参考にしつつ、総合的に判断することをおすすめします。
どの項目について優先順位を高くされるかは企業やブランドによって異なりますが、例えば、広報PR観点で、後に「〇〇社と一緒に仕事をした」と対外的に発信することまでを見越して、企業選定自体を自社のブランディング活動として捉えていくのも一つの考え方だと思います。
ちなみに、他社への依頼を検討する上記以外の理由として、「予算消化」「人助け(応援したい気持ち)」「大人の事情」「考えたり動いたりするのが面倒」「失敗しないための保険」等々もあげられるかもしれません。
企業選定を開始する主な理由が、最後の2つのどちらかである企業さまにとっては、仕事の一任対応に特化した企業さまと相性が良い可能性が高く、依頼検討先の事業内容や体制を確認していただくのが良いと思います。
ただ、依頼する側の方々が主体性を持って、現状をより良くするために細かいディスカッションや作業にも関わるプロジェクトの方が、パートナー企業との擦り合わせも上手くいき、良い結果に繋がりやすくなる傾向はあると言えます。
他の参考点として、例えば「コンペティションに参加可能か」「事前に具体的な提案がもらえるか」「実際の担当者を選べるか」といったように、”依頼する側の社内ルール”があるパターンもあると思います。ですので、何か必須・確定事項がある際には、最初に確認をしてみてください。
※ちなみにFRACTAでは、ご契約後にプランナーやアートディレクターをアサインし、プロジェクトのためのチームリソースを確保した上で具体的な調査検証やご提案をさせていただいています。もちろん相見積もりをとっていただくことは問題ないのですが、上記3点については基本的に辞退させていただく場合が多いです。
“体制”に付随する参考項目をもう少し挙げるとすると、選定先の企業が「クライアントさま直の仕事が多い会社」か「代理店さん経由での仕事が多いか」というポイントもあると思います。
一概には言えませんが、前者の方が”一緒に考える”タイプの企業で、後者の方が”制作”に寄っている企業である傾向が少しあると感じています。(やってほしいことや作ってほしいものが明確であったり、取り組む予定の分野がかなり専門的な場合は、依頼されたものを手際よく実現する「制作」に慣れている企業さまを検討されるのが宜しいかと思います。)
※ただ、本当にさまざまな会社がありますので、ご自分やチームの方の感覚を頼りにしてみてください!
後は、「業務がその社内だけで完結しているか」というポイントも一応あります。これは、例えば『メインとする事業とは異なる領域に裾野を広げ、DX支援をはじめた』『メインとする事業の上流部分の提案もはじめた』というようなことがあると思いますが、実はその新たに始めたサービスは別の企業やフリーランスさん等に依頼していることがある、というようなパターンのことです。
また、単純にその会社の人数が少なく、請負業者へのディレクションに特化しているというパターンも多いです。
前提として良い悪いの話では無く、双方合意の上でプロジェクトが進められることが大切です。
FRACTAでも、社内だけではカバーしきれない領域や量を取り組ませていただく際に、他社さまのお力を借りることがありますし今後も、シナジーを発揮できそうな様々な企業さまとのご縁は広げていきたいと考えています。
FRACTAにお問い合わせいただくご相談ってどんな内容?いろんな事例をご紹介
FRACTAサイトのトップページ右上「ご依頼・ご相談」をクリックすると、お問合せフォームに遷移します。こちらから、日々、様々なお客様からご連絡をいただいています。
いまFRACTAにはどのようなお問い合わせをいただいているのか?参考例を以下に抜粋します。
主に以上のような内容で、ご依頼の相談をいただいています。こちらの内容を紐解かせていただき、”One by One”や”Branding Camp”といった弊社独自のプランでお見積りの上、お取り組みをさせていただいています。
お問合せ時には、「会社・事業について」「現状の運営体制」「本件に関しての進捗状況」「プロジェクトの一旦の想定ゴールはいつまでで、それは何故なのか」といったことを、補足的にご記入いただけることもあり、FRACTAがお客様の状況を知るためにとても参考になる情報となっています。もちろん、こちらは初回のオンラインミーティングでお伺いさせていただければ大丈夫なので、必須項目ではありません。ただ、大まかに諸々の背景を事前に把握出来ていると、打ち合わせをスムーズに進めやすくなりますので、もし可能であれば簡単にご記載いただけますと認識の齟齬が生まれにくいかとは思います。
他には、ごく稀に、機能開発要件がカッチリ固まったリストを送付いただいて「それぞれの実現可否を答えるように」といったご連絡をいただくこともあるのですが、個別の具体的な調査検証はプロジェクト開始後になるため、ご対応が難しくなってしまいます。
機能有りきで決まった要件を「後は作るだけ」という状態であれば、シンプルに「構築」や「開発」をメインにした制作会社さまがマッチされているのかなと思います。
後は、そもそもFRACTAがどんな会社か確認してから相談するかどうか決めよう、というパターンもあると思います。
こちらについては、先ずはお問合せをいただければと思います。上述のように、FRACTA以外の会社(他社さま)の方がお客様にバリューが出せそうと判断させていただいた場合はその旨をお返ししますし、一旦FRACTAの会社案内を確認して後のご参考にしていただく、ということもできます。
FRACTAは、どこで認知していただいたかによって、少しずつ事業のイメージが異なる会社です。
それぞれ間違いではなく、分野ごとに特化したメンバーが在籍しているため、コミュニケーションを分断せずに多角的なブランド支援・サポートが可能です。
より納得感のあるブランドづくりを目指してパートナー企業を探してらっしゃる方は、一度お問合せをいただけるとうれしいです。
最後に
今回は"ビジネスパートナーの選び方"について、主に書かせていただきました。
企業やブランド毎にマッチしたパートナーと仕事をする、ということは大切なことです。
これは、依頼する側とされる側(取引)という観点だけでなく、コラボレーションする企業や人、出店する街やテナント等を考える時にも同じことが言えると思います。
一緒に仕事をするパートナーは、新たな層へアプローチしたい時や既存顧客に今までに無い価値を届けたい時に、可能性を広げてくれる存在になります。
コラボレーション相手のキャラクターやイメージ・歴史やストーリーが、自社ブランドに新たな可能性を生み、逆に自社ブランドが、コラボレーション相手のブランディングにも繋がってシナジーを出せることが、自然で良い協力関係です。
一方で、何処へでも誰とでも、目先の利益だけで動き続けると(それ自体がブランドらしくなるパターンも無くは無いかもしれませんが)、コアな顧客が既に持つ良いイメージを崩したり、良いパートナーと出会いにくくなったりすることにも繋がり得るでしょう。
大切なことは「自社のプロダクトに磨きをかけてブランドらしい体験を提供していくこと」だという前提があり、その手段として今はさまざまな手法があります。
分かりやすい一例として、今はDXが取り沙汰されることが多いですが、それだけではなく、企業やブランドそれぞれにとって良いBusiness Partners Transformation、(こんな言葉があるのか分かりませんが‥‥)BPXもしていただき、新たな価値を共創していってほしいと思います。