普遍的でありながら、ちょっとした驚きを。FRACTAの名刺デザインについて

普遍的でありながら、ちょっとした驚きを。FRACTAの名刺デザインについて

こんにちは。広報チームの佐藤です。
このたび、昨年から続くリブランディングの一環で名刺をリニューアルしました!

ということで、ずらっと名刺を並べてみました。実はそれぞれ少しずつ色が異なることに気づいたでしょうか?

なんと、社員一人一人が自ら選んだ色で印刷された仕様なんです。ちなみにサイズは日本人が美しいと感じる白銀比です。

前回の名刺は活版の、手触りが特徴的な名刺でした

 

名刺を手がけたのは、数々のプロジェクトでパッケージやKV、ロゴデザインなどを手がけてきたアートディレクター/デザイナーの横井香南さん。

今回の名刺をはじめとする、FRACTAでのデザインについてお話を聞いてみました。

 

 

普遍的でありながら、みんなが参加できるデザイン

ー名刺に関する社内プレゼン資料を読むと「さまざまなメンバーの個性を刷り色で表現し、それらが混ざり合ってコーポレートカラーのグレーになることをイメージした」と書かれていたのですが、改めてデザインの発想の原点について教えてください。

横井:まず社内から「FRACTAらしく、コロナ禍においてここぞというときに渡せるような、あっと言わせるポイントがあること」とオーダーがありました。リブランディングで設定された価値観も体現できるようなものにしたいという気持ちもありました。
加えて予算のこともあったので、制約の中で何ができるかなと考えたときに「色だ」となりました。
FRACTA自体これからリモート中心になるため、直接名刺交換するときはプロジェクト開始やワークショップなど、チームで参加する時が多いだろうという前提があります。なので、チームメンバーが揃ったときに「みんなそれぞれ色が違う!」と思ってもらうために、色がポイントになりました。FRACTAらしいシンプルなところを重視しつつ、特色を使って表現することになりました。

提案資料(一部)

 

ー横井さんが考える「FRACTAらしさ」は、他にどんなところがありますか?

横井:昔から社内で言われてきたことなのですが、普遍的で中立的であることですね。FRACTA自身が目立ちすぎない、フラットな視点を持てる立場……っていうんですかね。リブランディングでも明言*されていたことなのですが、今回の名刺もその部分は意識しています。あとは名刺そのものが、渡して所属や名前を覚えてもらう道具なので、デザインやコンセプトが勝ちすぎないよう、機能性はマストで気をつけました。

*リブランディングに伴い、FRACTAのロゴのカラーをネイビーからミディアムグレーに変更しました。FRACTAは多様なブランドと一体となり支援し、時に心の支えにもなる裏方的存在という意味が込められています。

 

ー今回名刺の色を社員それぞれが選べるのが素敵だなと思いました。最初からこうしようと思っていたのでしょうか?

横井:最初はプランナーは何色、ディレクターは何色と部署ごとに色を割り振るアイデアもありました。でもデザインってどこか閉鎖的な感じがあるので、みんなに参加してもらうのがいいかなと思って選んでもらう形にしました。

 

ー参加してもらうっていいですね。ちなみになぜ日本の伝統色から選んでもらうことにしたのでしょうか?

横井:FRACTAの創立時に、日本のブランドを国内外に広めようという思想があったことや、日本の職人さんへのリスペクトの気持ちも高くて。そういったFRACTAのルーツを鑑みて、日本の伝統色に限定しています。

 

ーちなみに横井さんは灰青色を選ばれてますね。

横井:自分の性格的にあまり派手じゃないほうがいいなというのと、会社のこれまでとこれからの流れに敬意を込めて、旧コーポレートカラーの藍色が混ざったグレーを選びました。

上段中央が横井さんの名刺

 

ー社員全員の色が出揃ったとき、どう思いましたか?

横井:「なんでこの色を選んだんだろう」とか「この人のキャラクターと一致しているな」とか、客観的に見ても面白いなと思いました。あとは青が多いなと(笑)

*なぜこの色を選んだのか、理由についてスタッフに聞いてみました

*左上から時計回りに

ブランドアクティベーションプランナー:小山内さん
選んだ色:灰白色
白~黒の間というか、赤!とか青!みたいな特徴ある色ではない方がいいと思っていました。あとは、色で気分を左右されがちなので、すごく落ち込んでいる時に自分の名刺がめちゃめちゃ元気な色だと無性に腹が立つなと。たださすがに薄すぎるじゃんとは思ったので、怒られなきゃいいなとは思ってます。

ブランドアクティベーションプランナー:山下さん
選んだ色:ひまわり色
名刺は自分を紹介するものなので、単純に自分が一番好きな色にしておきたいと思い選びました。明るい色だと、名刺交換の時に明るい挨拶になるかなとも思っています。スマホのホーム画面もこの色の壁紙ですし、ゲームボーイも黄色を使っていたので、ちょっと濃い黄色がずっと好きみたいです。

プロジェクトディレクター:土井さん
選んだ色:新橋色
もともとターコイズブルーが好きでした。近い色を選ぶ中で「明治中期に化学染料の輸入に伴い生まれた新しい色。それまでの伝統色にはなかった鮮やかな発色が、新橋の花柳界の人々に新鮮な魅力を与え、流行した」との由来を持つ"新橋色"に目がとまり、既成の枠にとらわれない瑞々しい感性を持つ人々に愛された色であるというエピソードに共感し選びました。

アカウンティング:高埜さん
選んだ色:墨色
名刺のサイズ自体が珍しいので、字の色も珍しいとなると、いち営業にしてはキャラが濃すぎるかと思ってこの色にしました。あとは日本で美しいとされる比率だそうなので、日本=墨(書道)と言うのがわかりやすいかなと。「実は黒じゃなくて墨色」という説明しなきゃ分からない感じを勝手に気に入っています。

エデュケーター:林さん
選んだ色:桃色
個人的に好きな色でした。部門的にもあまり名刺をお渡しする機会はないのですが、カラーの話でネタになるのかなと!あとは好きなカラーだとモチベーションが上がったり、気分的にも少し気合が入るかもしれないと思って選びました。

 

相手を理解してデザインする

ーデザイナーとして普段気をつけていることや、大切にしていることはありますか?

横井:いつも考えているのは「この提案をもらって嬉しいかな」ということですね。ワクワクしてもらうことが大切だなと思っています。あとは、デザイン案を見せたときにノイズが発生しないようにわかりやすく説明することです。
デザインって、クオリティだけではなく見せ方や切り取り方で結構印象が変わるので「見せ方」は常に考えています。


ー クオリティが高ければ良し……ではないのですね。

横井:そうですね。相手がどういう立場の人で、どんな人なのか、伝える相手に合わせて柔軟にやり方を変えていく人が良いAD(アートディレクター)やデザイナーの条件の一つなのかなと思います。相手のことを理解するのは大切ですね。

 

ー最後に今後してみたいデザインはありますか?

横井:個人的なことで言えば、場を作るデザインをしてみたいです。昔アーティストの人と働いているときに場づくりみたいなことをしていて、ずっと面白いと思っていて。場を作って、人が何かに吸い寄せられるみたいな現象が面白いのかなと。今の仕事と直接関係のないことではあるのですが、FRACTAは幅広い仕事ができるので、いつかそんなことができたらいいなと思っています。

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横井さんありがとうございました!

渡す側にも、受け取る側にもちょっとしたサプライズ体験をもたらすFRACTAの名刺。もしFRACTAのスタッフから名刺を受け取ることがあれば、ぜひ注目していただけると幸いです!