色を通じてブランドを考察してみた ー序章

色を通じてブランドを考察してみた ー序章

こんにちは!FRACTA Research & Implementation(RI)局の島田です。

私は、RI局でShopifyや周辺環境の様々な技術面の支援・調査を主に行っています。
そのためクリエイティブは専門として担当しておらず、タイトルにある「色」との直接的な関わりとは非常に薄い業務に携わっています。ですが、業務上専門外となる「色」に対する興味関心をもち普段から学習をしていることから、今回このトピックを選択してみました。

皆さんは普段、身の回りのものの色を気にされることはありますか?
私は、お散歩をしていても、スーパーマーケットで買い物をしていても、とにかく色が気になって仕方がありません。このパッケージの色は食欲を唆るな、だとか、この配色は季節感があっていい!など考えながら買い物をしていることもしばしば。

「色を『使う』『操る』ということはつまり、ものの印象を大きく変えるから、すごく難しいのでは?いや…これは奥深いぞ…色のことをもっと知りたい!」という好奇心から、プライベートで色彩検定 2級に向けた学習をしています。

学習や今回の考察を通じて、クリエイティブを専門とする社内メンバーの業務をより理解し、力になれることが増えたら嬉しい!という気持ちもあります。

色の学習の一環として、FRACTAが伴走させていただいたブランドの事例をよくコーポレートサイトで閲覧しているのですが、どのブランドのサイトを見ても、カラーコンセプト、ビジュアル、まるっとひっくるめて色使いが素敵!と思っています。温かみや、爽やかさ、肌触り…Web画面上からでも、様々な感覚を覚えます。

 

さて、何にフォーカスしようか?

普段の活動や学習を通して、色はブランドを印象付ける重要な役割の1つだ、ということを改めて認識しました。そこで、今回は色から感じ取れるブランドの印象を私なりに考察してみたいと思います。

しかし、このテーマを考えるにしても、どうやらすごく広くて深い話になりそう…ということで、ここからは様々な視点から何回かに分けて考えていきます。

初回となる今回私が着目したのは「五感」です。FRACTAが伴走してきたブランドや、世間で私たちが目にするブランドを印象付ける色が、見る人に与える印象と、その色を感じ取る「五感」を軸に、このテーマを掘り進めていきます。

FRACTAがブランドと伴走して、共にブランディングのプロジェクトを進めていく際行われるカラー設計や、トーン&マナー策定などのクリエイティブな視点ではなく、いち閲覧者としてブランドのWebサイトを見た時に、配色がどのようにブランドに印象を与えているかについてフォーカスしていきたいと思います。

考察を進めるとともに、参考にした書籍のご紹介もしていきますので、一緒に考えていただけると嬉しいです。

 

色と五感の関係を考えてみよう

まずは、「色」と「五感」の話から。
「五感」はご存知の通り、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚を指します。これらを元に私たちはものを認識し、情報として当たり前のように取り込んでいます。そしてその先で、知らず知らずのうちに様々な思い出や記憶と複雑に絡み合い、別の情報が紐付けられます。このように、五感による認識をする→情報として取り込む→記憶や別の情報と紐付けられる、というプロセスを経て、心理的な印象に繋がると考えられます。

例えば、赤について考えてみましょう。
赤色のものをみた時、赤という言葉を聞いた時、どのような感覚や印象を覚えますか?

ー 鮮やか、明るい、熱い、暖かい、柔らかそう、ツヤっとしていそう、深そう…

印象を洗い出す過程で頭に浮かんだものは、散歩の途中で見かけたお花、ウィンドウショッピング中に見かけた赤いニット、友人が飲んでいたワインの色、昨日テレビCMで見たお皿に載ったツヤっとしたトマト…
私は赤色に対して、上記のワードを関連づけてみました。生活を送る中で無意識にインプットされた印象なのかとも思いましたが、よくよく考えるとそれは自分の身の回りに存在しているもの、見たもの、体験したものなど、記憶そのものが与えた印象なのだと感じました。人によっては、特定のブランドやプロダクトを連想するかもしれません。

一般的には、赤という色は暖かみや強さといった印象を与えると説明されることがよくありますが、地域や文化的背景によって異なる認識がされることや、印象を与えることがあります。例えば、中国では幸福や繁栄を象徴するのに対し、アフリカの一部地域では喪色として認識されています。赤という色に、特定の思い出や記憶がある方もいるかもしれません。

色に対して覚える感覚や印象は必ずしも統一されているわけではないということを念頭に置きながら、この先の考察を行っていきたいと思います。

次回からは、五感ひとつづつと、色、そしてそれらの効果を活用するブランドを紐づけて、具体的な考察を行っていきます。


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