未来と文化の交差点#005 〜隣人に学ぶカルチャーとマネー〜

未来と文化の交差点#005 〜隣人に学ぶカルチャーとマネー〜

こんにちは。本記事では、音声メディア「FRACTA Future Forecast|未来と文化の交差点」の第5回の様子をお届けします!

今回は韓国のカルチャーから見る文化の輸出に関するお話です。

韓国のエンタメ戦略とは

つっちー:今回僕とチャーリーが注目したのは、ノア・スミスさんという方の書いた海外のメディアやカルチャーに関するブログです。どこが文化的大国となるのかという話の中で、韓国が今すごく伸びてきていて、国家戦略として文化産業を重視しているという話でした。

チャーリー:韓国すごいですよね。ある種ブランディングというか、マーケティングというか…

つっちー:NetflixやSNSも含めたプラットフォームで拡散した韓国の2021年のエンタメ輸出額が1.3兆円とのことで、5年前と比べて倍増しているそうです。恐ろしい数字ですね。
チャーリーは韓国のコンテンツを見ますか?

チャーリー:正直そんなに見ていなかったけど、周りの人が話題にするのは見聞きしていて。2021年で言うとイカゲームは見ましたよね。サスペンスというか、飽きさせずに最後まで見させる話の作りは単純に面白いなと。

つっちー:僕はドラマも好きなんですけど、アイドルというのかな…アーティストが好きですね。高校生くらいからBIGBANGが好きで、この10年くらい見ていると、国をあげて彼らをパリをはじめとするファッションショー・ウィークに参加させたり、外へ出て学ばせたり、そこから世界へ向けて発信することをやっているなと思います。
今人気のBTSTWICEも世界進出というところから逆算して、歌や曲を作っています。歌詞も英語だったりしますよね。エンタメに向き合う姿勢が全然違うんだろうなと思いました。

チャーリー:確かに。日本のエンターテイメントパーソンと呼ばれる人たちは、個社ごとにやっているイメージが強いし、正直国とのつながりがあまりない感じはありますね。ファッションのメディアを見ていても同じように感じます。日本だとファッションウィークに出るのはモデルの人たちが多いのだけど、韓国側は日本で言うアイドルの括りの人たちが出ているなと思いました。アイドルっぽくする文脈にまとめているのは、結局日本独自の見方なのかなという気もします。エンターテイメントを包括的にできるような世界的な人たちとして、韓国は(アイドル・アーティストに)力を入れているのだなと感じます。

つっちー:ただ世界に向けて輸出する中でもUSに媚びるわけではなく、ちゃんと韓国としての文化や発信したいことは残しているバランス感もありますよね。

チャーリー:メイクやファッションも、欧米文化で作るというよりはあくまで韓国を主軸に置いている感じですね。

文化を輸出する

つっちー:日本にも軸となるコンテンツや強みはたくさんあるなと思います。

チャーリー:今は難しい状況ですが、もともとインバウンドが伸びていて、日本を目的に来日した人たちがいるという意味で間違いなく強みはありますね。

つっちー:僕は前々職で観光ガイドの仕事をしていて、大分、東京で多分合計100回くらい外国の方をガイドしたことがあるのですが、いわゆる宮崎駿のトトロの世界観みたいな「ザ・日本」な世界を見たいという方が多かったですね。逆に渋谷のサイバーパンクな雰囲気が好きな人もいて。そういった需要に合わせて、日本は観光だけでなく、エンタメも、欧米ナイズされつつあるのかなと思いました。ある種韓国とは逆の道を進んでいるのかなと。

チャーリー:日本は欧米圏の情報を参考に取り入れて、文化をアップデートしてきたところが強いかもしれないですよね。ただ日本の文脈を保護するという意味では実際どうなのだろうか…

つっちー:実はアップデートするのは簡単でも、もともとあった価値を戻すことはできないんですよね。

チャーリー:面白い。適切な言い方ではないけど、ダウングレードできないと。

つっちー:そうです。歴史も文化もあって、そこに集まっている人がいるにもかかわらず、不便だとか色んな理由で1回壊してしまうと、元の形に戻せないんですよね。その辺りのバランスをうまく保たないと、今残っているものがどんどん消えていってしまうと思います。

チャーリー:確かに。歴史的な資産など日本は強いものを持っているかもしれないけど、韓国はアップデートしたり新しくビルドアップすることに適応できたのかなと。エンターテインメントを創出しやすい文化圏だけど、日本が同じような戦略をとったらできるのかというとちょっと違う。

つっちー:そうなんです。記事の中で「文化を輸出する」という表現が面白いなと。アイドルだったり、曲、グッズを輸出するのではなく、丸ごと含めて文化として外に出していくというのが、もうちょっと大きい抽象的な概念で考えないといけないのだなと思いました。

チャーリー:文化というカテゴリの中で、世界に通用するかどうかで個別に戦っていくよりは、全体最適していくのが良いのかもしれないですね。それこそ日本の歴史的な側面や、四季の美しさ、文化遺産もそうだし、エンタメ寄りで言うとアニメや漫画を創出する力はめちゃめちゃ強い。

つっちー:そうなんですよね。キャラクターなどのIPビジネスランキングを見ると、1位がポケモンなんですよ。2位がハローキティ、スターウォーズやミッキーの次に、アンパンマン、マリオ、ジャンプもランクインしてますね。

チャーリー:ポケモンが王者なんですね。すごいなぁ。

つっちー:ドラゴンボールやワンピースもランクインしているところを見ると、エンタメの中でもキャラクターなどのIPは世界的にも抜きん出ているのかなと思いました。

チャーリー:ポケットモンスターが20年ちょっとの歴史にもかかわらず世界で1位を獲得しているところを見ると、日本のクリエイティビティやある種のカルチャーの強さを感じますね。

つっちー:そうなんですよね。最初の記事の話ですが、グッズ展開した際もちゃんとクリエイターや新しいものを作ることに還元すると言う意味では、韓国は上手かったのかなと思いますね。

チャーリー:イカゲームの衣装がハロウィンで使われることも含めた戦略の具体性があるのかもしれない。日本もその辺りの設計をどうしていくかというところは見習うところがありますね。

つっちー:点と点を繋げられる人。それこそストラテジック・プランニングができる人ですよね。僕はアニメーターやクリエイターではないですが、今後そういう方たちと仕事をする時は、点と点を繋げられるような役割で貢献して、文化を生み出すだけではなく輸出できる国にしていきたいなと思います。

チャーリー:日本の魅力を再発見して、その魅力をどう輸出するのかというところに目を向けるときに、韓国の取り組みは参考になったという話でもありましたね。日本に生まれた者として、日本の魅力を話していきたいです。

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