企業の全活動がブランディング、と言うけれど一体どういうこと?

企業の全活動がブランディング、と言うけれど一体どういうこと?

こんにちは。あらためまして、元スタートアップ経営者で現在はFRACTA RI局 共同局長の川岸です。

前回は、「ぶっちゃけ、ブランディングってビジネスにどう効くの?」という記事を投稿しまして、ご笑覧頂きありがとうございます!
(多くの「いいね!」ありがとうございます!まだお読みになってない方は是非w)

さて、よくFRACTAでは、「企業の全活動がブランディングです」というようなことを言うのですが、今回はその「企業の全活動=ブランディング」とはどういうことなのか、ということについてお話できればと思います。

前回の投稿で、私は、ブランディングとは「そのブランドの『世界観』や『伝えたいこと』を、狙った相手に意図通りに伝わるようにすること」だとお話ししました。また、“伝える”ではなく、“伝わる”というところもポイントだと言いましたが、まさにこのポイントが「企業の全活動=ブランディング」たる所以だと思っています。

ブランドイメージとは

1つ、簡単な例を挙げましょう。例えば、ある飲食店(仮にレストランAとしましょう)に皆さんが入ったとして、そこの店員さんの態度がやや横柄だったとします。この時、皆さんはどのように感じるでしょうか。

「この店員さんは態度が悪い」と、レストランAとこの店員さんを切り分けて考えられる人は少ないのではないでしょうか。

むしろ、「レストランAのスタッフは教育がなってない!」とか「レストランAは態度が悪い」というように感じてしまうことが多いように思います。

レストランAとしては、「ウチはお客さまに横柄な態度を取る飲食店です」なんていう発信しようとはこれっぽっちも思っていないハズですが(稀に「ガンコ親父の〜」なんて店もありますが…)、店員の方の態度ひとつで、本来持たれたくない印象がついてしまう(ブランディングされてしまう)ことになりますし、そう伝わってしまった方がSNSフォロワーの多い方だったとすると…そのことに触れた投稿ひとつで多くの方に悪いイメージが持たれてしまいます。


ブランドイメージに影響するもの

今は簡単な例として飲食店の店員さんのケースを挙げましたが、実際にはブランドビジネスをしている企業の活動それぞれが、お客さまや将来のお客さま、あるいは関係するパートナー企業などに様々なイメージを与えることになるのです。

「活動それぞれ」というとフワッとしてしまうので、具体的に言うと、

 ・商品に使っている材料や素材(調達活動)
 ・商品そのもの
 ・梱包材や梱包のされ方
 ・同梱物
 ・利用する配送業者の運び方
 ・在庫の持ち方、ラストワンマイル以外も含めた物流方法
 ・店舗の立地
 ・店舗・売場の雰囲気
 ・スタッフの態度
 ・店舗・売場の買い物体験
 ・ECサイト上での表現
 ・ECサイトでの買い物体験
 ・SNSでのコミュニケーション
 ・マーケティング施策
 ・広告の内容、出し方
 ・CI、ロゴイメージ
 ・コーポレートサイトでの表現
 ・資本構成
 ・社員の対応
 ・社長の行動

*ラストワンマイル…最終拠点からエンドユーザーへの物流サービスのこと

などによって、その会社やブランドのイメージが形付けられてしまうということです。

上記を見て頂くとお分かりになるかもしれませんが、これらはもちろん会社やブランド側からの発信として“伝えられる”ものもあれば、特に発信としては意識していなかったけれど、“伝わってしまう”ものもあるのがお分かり頂けるかと思います。

今回の投稿のサブタイトルにもある、「実はどの配送業者を選ぶか、もブランディングになる」というのはまさにこういうところから付けています。

世界観を体現する配送とは

最近ではサステナブルや環境配慮を世界観としたブランドも多くなってきました。実際にそのブランドのお客さまも、そういった世界観に惹かれてSNSをフォローし、ECでの購入に至ったとします。しかし、そのブランドが選んだ配送業者は置き配をすることができず、何度も何度も再配達を行ってようやく手元に商品が届いたとすると、そこにブランドが標榜するサステナビリティやエコといったことは感じられるでしょうか。

サステナブルを標榜し、その世界観に共感する人をターゲットとするのであれば、そもそも環境を配慮した置き配を基本とするような配送業者を選び、そのことを伝えた方がより世界観が伝わるのではないでしょうか。

あるいは、配送方法として店舗受け取りを可能にするといったことも、利便性の観点を越えて世界観が伝わる(つまりブランディングされる)ことに繋がるのではないでしょうか。

配送というとどうしても送料や配送の質に目が行きがちです(それが普通だと思います)が、ブランディングという観点で、どんな運ばれ方の方がより世界観が伝わるのか、といった見方も今後重要になってくるでしょう。


ブランドイメージに関する実体験例

少し個人的な経験もシェアすると、先日Allbirdsの実店舗を覗いたのですが、試し履きをする際に普段の靴のサイズ(私はスニーカーは普段26.5cmを履いています)をお伝えすると、環境配慮のために商品を0.5cm刻みでつくるのではなく、サイズを1cm刻みにしていることをスタッフの方が丁寧に伝えてくれました。

環境配慮というとどうしても靴の素材に目が行きがちですが、無駄な在庫を作らないといったことも考えて敢えてサイズ展開を少なくしていることや、それ自体を分かりやすく説明してくれたスタッフの方の振る舞いから、彼らが標榜するサステナビリティを感じることが出来ました。

また、別の経験では、非常に人に優しい、人に役立つサービスを展開しているスタートアップ企業がありました。代表の方は周りに厳しく接すると言いますか、他のスタートアップ経営者にもややファイティングポーズを取っているような印象を受ける方がいらっしゃいまして、サービスのイメージとのギャップに「もったいないなぁ」と思ったものです。

もちろん、先ほど挙げたような項目を全てコントロールするというのは難しいと思います(というより、全てをコントロールするのは無理に近いです)が、まずは企業の全活動がブランディングになるというのを意識するだけでも変わってくるかなと思いますし、ブランディング活動で検討した内容をインナーブランディングとして社内やパートナー企業に浸透させるということがより重要になってくるのではないかと思います。

ということで、今回も長くなってしまいましたが、今後も月1回くらいのペースで発信していければと思いますので、ご笑覧頂ければ嬉しいです!


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