こんにちは。クリエイティブチームリーダー兼アートディレクターの大野です。FRACTAでは日々様々なブランドの支援をさせていただいています。ブランディングにおいて重要なことは多々ありますが、デザインもその領域の一つです。
今回はFRACTAにおけるアートディレクターとデザイナーの役割について説明したいと思います。
結構一般論な内容で今更な話にはなるのですが、もしこれまでこう言った話に縁がなかった人には多少参考になるかもしれない内容になっています。
アートディレクターとデザイナーの一般的な役割
みなさんはアートディレクターとデザイナーという職業にどのようなイメージをお持ちでしょうか?
定義が広い言葉であるので、意外とこの定義って会社ごとに微妙に異なっていたりする部分かなと思います。
制作する対象や業界によって多少異なることもあるかもしれませんが、基本的にはデザインは「設計」を意味し、アートディレクションはデザインを「監修」することを意味しています。このように書くと少しわかりにくいですが、デザインは何か目的のために機能を構築する行為で、アートディレクションはその範囲と到達点(ゴール)を設定することなのかと思います。
ブランディング領域でのアートディレクターとデザイナー
ではブランドを支援しているFRACTAがこのアートディレクションとデザインを通して具体的にどういった支援をしているのか説明したいと思います。
FRACTAが取り組んでいるブランディングとはビジネスの一環であり、支援しているのもビジネスの中で発生するブランドとユーザーのコミュニケーションの一部です。
ブランドは自身を理解してもらうために常に何かしらの表現をしていく必要があります。簡単に言ってしまうと、アートディレクターとデザイナーはその表現のお手伝いをしています。
ブランディングというビジネスに創意工夫を持ってブランド/プロダクト/サービスの魅力を戦略的・効果的に伝えていくための設計と実装をするのが私たちアートディレクターとデザイナーの役割と言えるでしょう。
硬いですね。
ブランディングにおけるアートディレクターとデザイナーの役割をわかりやすくレストランと料理とそこに集まるお客さんで例えてみましょう。
オーナー(クライアント)はある食材(事業アイディア)の開発に成功し、それをもとにレストラン(ブランド)を開きたいと考えているとしましょう。
その食材はどんなお客さんに需要があって、出店する地域の周辺にはどんなお店があるのか。オーナーはどんな思いを持ってレストランを開きたいのか。色々なことを考えてお店のコンセプトを決めます。
コンセプトが決まったら、提供する料理を考えます。この辺りから料理長(アートディレクター)の出番です。
和風が良いか洋風が良いか、はたまた中華が良いか。素材と需要を加味して料理の方向性(世界観)を決めていきます。この辺りでレストラン(ブランド)がお客さんにどんな体験を提供するのかが定まってきます。
プランナーと一緒に料理はコースが良いのか単品が良いのか、前菜・メイン・ドリンクの提供方法や、それらが価格設定に見合う内容になっているのか、エンドユーザーにとって良い体験になっているか。この辺りも考えていきます。素材(事業アイディア)を活かすために必要に応じて最高の調味料(フォトグラファーやイラストレーター)も仕入れていきます。
提供する内容の枠組みが決まったらコック(デザイナー)の登場です。
設定された枠組みと仕入れられている素材に沿って、お客さんに喜んでもらうために料理を具体化していきます。
甘いのか、辛いのか、提供された素材と調味料を調和してベストなバランスで最高の料理に仕上げていきます。
肉料理が得意な人もいればデザートが得意な人もいます。時には思いもよらないアプローチで想像以上の料理に仕上げていくこともあるでしょう。
こうしてオーナーの食材(事業アイディア)が最も良い形でお客さんに楽しんでもらえるよう、それぞれの役割で創意工夫を重ねていくのが私たちの仕事と言えると思います。
さらにブランディングにおいてのアートディレクターとデザイナーの役割はここで終わりません。
レストランは一夜限りのパーティーとは違い、日々続いていくということ。レストランで重要なのはリピート率です。(一応ブランディングの話です、、)
あの味をもう一度と思って再度訪れた時に「なんか味が落ちたな、、」となると再び訪れることはないですよね。もちろん1回の食事の感動も大事ですが、ユーザーに愛され、長年通ってもらえるようになるためには、いつでも同じクオリティで料理を楽しんでもらうのも重要なことの一つです。
そこで大切なのは再現可能な「レシピ」を残すということ。これがブランディングにおけるアートディレクションとデザインの特徴の一つです。
「レシピ」があれば大きく味がブレることがなく、レストランが拡大しても一人の料理人の腕やセンスに左右されず、一定のクオリティを保てます。
高度に練りこまれたレシピはその店秘伝の味となり、応用・成長していきながらお店に深く根付くことが可能です。それがブランドのアイデンティティーと呼べるものになっていきます。
一組数万のコースしか提供しない憧れのレストランも、みんなに愛される大衆食堂でも、アイデンティティーが輝きを放つからみんなに認知され長く続く名店となっていくのだと思っています。
お腹が空いてきました。
例えが多く逆にわかりにくいやつですね。雰囲気だけでも掴んでもらえれば幸いです。
アートディレクションとデザインでFRACTAが重視すること
前半で触れましたが現代のブランドにとって、日々何かしらの表現をおこなっていくことは必須とも言えるでしょう。「自分達はなにものか」「世の中にとってどう良いのか」などなど。それはWebであったり紙媒体であったり店舗であったり、さまざまな形で実行されます。
クリエイティブの領域は一見感覚的でわかりにくく、共有するのが難しかったりするのですが、魅力を最大限引き出すための工夫をしながらも、同時にその「核」となる表現は、常にブランドに根付き発展して続けられる表現にする必要があります。この「核」が前述の「レシピ」にあたり、それがブランドに力強さと普遍性を根付かせていくものと思っています。
ブランドにおける「核」となる表現を引き出すことができるのは、本質を見抜き、情報の整理と新鮮な発想が得意といわれているアートディレクターとデザイナーなのかもしれません。
やっていること自体目新しいことではないですが、FRACTAのアートディレクターとデザイナーは、現代のスピーディなブランド展開に適応できることを特に強く意識し、日々様々なブランドと共に表現の形を模索しています。
結びに
色々と大変な時勢ではありますが、だからこそなのか素敵なブランドはたくさん増えてきているように感じています。そんな中でもFRACTAが関わったブランドが輝きを放ちみんなに愛される存在になるように、私たちクリエイティブチームも単純に視覚領域の調整にとどまらず、広く大きな視点でブランドとその活動のお手伝いをしていきたいと思っています。そして、ひいては世の中を少しでもポジティブにできるような貢献をしていけると幸いです。
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