【FRACTA×FFG記念対談①】コマースの未来を一緒に語りたい

【FRACTA×FFG記念対談①】コマースの未来を一緒に語りたい

昨年フィードフォースグループの一員となったFRACTA。

グループジョインを記念して、フィードフォースグループ社代表取締役社長の塚田さん、アナグラム社代表取締役の阿部さん、リワイア社代表取締役の岡田さん、リワイア社取締役の加藤さんと弊社河野の対談を行いました!

記念すべき第1回目はリワイア社・取締役の加藤さんです!

ロマンとテックとインターネットの宇宙

河野:それではお願いします。改めまして、この度はファミリーに加えていただきありがとうございます!対談しましょうってノリで始めましたけど、何を話すんだろうみたいな。

加藤さん:そうですね。何がいいとかありますか。

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Rewire 加藤さん

河野:え。僕?じゃあ……多分加藤さんは僕らと早い段階から色々絡みがあったというか、Shopify上でお話しさせていただいていましたので、個人的には既に仲良し、という認識だったのですが。笑
今回資本提携の話を聞いた時、ぶっちゃけどう思いましたか?

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FRACTA 河野

加藤さん:僕個人はめちゃくちゃわくわくしたんです。シンプルにポイントがいくつもあって。一つは、やっぱりブランドから入っていくところはなかなか一朝一夕にできることじゃないですし、表現がいいかどうかわからないですけど、FRACTAさんは世界観がすごくある会社だなと思っていて。
ネーミングもそうだし、プロフィールの作り方もそうだし、ワーディングもそう。世界観というか、それこそFRACTAさん自身のブランドがめちゃくちゃしっかりあって。表現が難しいですが手触りがいいというか……雰囲気があって僕はそれがすごい好きなんです。
一方で、じゃあ僕らはそれを目指したいかどうかでいうと、僕はまた違っていて、フィードフォースグループ(以下、FFG)全体の中でもそうですし、Rewire(以下:リワイア)でもそうですけど、もうちょっとテクノロジーの力であったりとか、メカニックな部分をもっと掘り下げていきたいという気持ちがあります。だから、それぞれが補完関係にあると思っていたんですよね。最近見せていただいた資料だと、宇宙に飛んでいくようなイメージがあったじゃないですか。宇宙開発のロマンの部分と、テックの部分の掛け合わせみたいなのができるよなと思ってわくわくしています。

河野:おおお!そこは僕もすごく思ってるので嬉しいです!
おっしゃる通り、FFGってインターネットの世界における宇宙開発に近いことをこれからやろうとしているんだろうなと思っていて。そうするとロケット作る人、ロケット操縦する人、それを管制官が管制するとか、もちろんクルーの人も必要だったり、訓練も必要だったり、あらゆる人が絡むじゃないですか。それがFFGの現在地……言い換えると「連邦」みたいな形だからこそできる感じがしています。
ロマンの部分と、テックの部分が全部掛け合わさって、一気通貫で形にしていける世界観というのは、おっしゃる通りすごく僕も一番大きなわくわくするところだなと思いましたね。

加藤さん:ちょうどFFGの塚田さんが、全力でロマンの人なんで。インターネットの宇宙に飛んでいこうぜみたいな雰囲気の人なんです、基本的に。ほんと宇宙開発の話みたいで、みんな役割があるんですよ。
僕がジョインしたのがちょうど1年くらい前なんですね。Shopify触り始めたのもそこからなので、新参者も新参者なんですけど。FFGからオファーというかお話をいただいたときも、「ロマンと技術者掛け合わさった部分で仕事をしたいので、夢のある技術開発をしたい」という話があって。その話に惹かれて入ったので、さらにロマンの部分を大きくしてくれて、やれる範囲もどんどん広がって……みたいな掛け算ができたらいいなと思いますね。

河野:僕もお会いして結構意外だったのは、塚田さん以外はみんな堅実な人ですよね。

加藤さん:そう、塚田さん以外はみんな結構細かいんです。何年も先の話して、「わかりました、じゃ明日これしましょう。」みたいなメンバーが多い。

河野:そうですよね。岡田さんとかその辺結構厳しそうだな。

加藤さん:そうですね。岡田さん結構ネガティブチェックがきっちりしているタイプなんで。リワイアも経営陣は今、僕と岡田さんで二人体制なんですけど、岡田さんは僕が何か始めようとすると「んー、それは大丈夫?それは大丈夫なん?」とずっと言ってて。
「いや大丈夫だと思うんですけど、やっていいですか?」と僕がずっと確認している。笑 もちろん手を動かすのは僕の方なのでそこまで介入というか、干渉はしてこないですけど、きっちりしてますね。

河野:そのほうがいいですね。FRACTAも役割半分で分かれていて。未来のこと語る人と、ちゃんとプロジェクトを着地させる人とで分かれています。

加藤さん:皆さん、しっかりされてますよね。FRACTAさん。

河野:僕がだいぶ勢いでボロボロ落としながら走るので、その分。笑

FRACTAがやりたいことって?

河野:逆に加藤さんから僕らに対して聞きたいことはありますか?

加藤さん:FRACTAさんとして今まで単体だとできなかったけど、これからできるよなって何かあるんですか?

河野:あー!めっちゃありますよ!それがあるからこの話がある。笑
僕らはブランディングをやってるが故に、ブランディングを机上の空論とか免罪符で終わらせたくないという思いがすごく強いんです。
例えば、今まででいうブランディングってやっぱりロゴ作って……とか世界観作って……とか。もちろんそれ自体もとても重要なんですが。


加藤さん:CIみたいなやつですね。


河野:そうです。で、もちろんとても素敵なロゴができて、コンセプトができて「良いブランドができたのであとはよろしくお願いします!」ということがどうしても一般的になっちゃうんですよね。これはやり方が悪いのではなく、受託ビジネスモデルという「型」的にその形が限界になっちゃうなと……
それをなんとかしたくて、FRACTAではコマース全体だったり、実際のコミュニケーションのところまで入り込んでいきつつ、ちゃんと売り上げを上げて生き残っていける状態を目指そう、ブランドさんがちゃんと自分達で事業をサステイナブルな状態にできるように支援しようというのがコンセプトになったんですが、実際そうなるとやることの範囲がめちゃくちゃ広くなっちゃうんですよ。

加藤さん:実務含めてとなるとそうなっちゃいますよね。

河野:そうなんです。僕らは「実装」ができることもまたとても大切にしているので、戦略も作るのも全部やるぞ!って50人の会社じゃ到底無理なことをなんとかやろうとしている。笑
そもそもECって、物流やCSとかまでちゃんとやんなきゃ絶対機能しないしとなると、正直僕らの会社のメンバーに対してすごく要求レベルが上がってしまう。最近でいうと、「オムニテックみたいなことをやっていかないといけないよね!」「Web3とかも考慮しないとね!」となると、ディレクターやプランナーからすると「ええ!!?」ってなりますよね。笑


加藤さん:そうですね。


河野:そこで当然、その無理難題を支えるために、僕らにはRI局という社内の研究開発チームがいるんですけど、研究チームも次から次へと新しいテーマがボンボン投げ込まれ……。笑


加藤さん:Shopify POSの研究開発だけで「それ半年ぐらいかかるだろ!」ってなっちゃう。


河野:Shopify自体もめちゃくちゃ情報早いじゃないですか。Shopify の社長のツイート1個見るだけで、みんなが絶望する状態になっちゃう。
もちろんそれらを日々Notionにまとめ、すぐに引き出せるように編纂し、現場のチームのフィードバックを受けながら情報を蓄積してるんですが、その情報を還元できる先があったほうがいいし、また一緒に調査・発信できる人たちがいてくれた方が、そのスケーリングがはるかに大きくなる。正しくその「仲間」としてのFFGという存在は大きいと思います。
さっきの話につながるんですけど、僕らに欠けてるところが全部埋まるし、僕らが頑張ってやったことがちゃんと還元されるということが実感できるのが一つあると思っていて。
もう一つは、僕らがやっているブランディングというもの自体が、ちゃんと実装まで落とし込まれるのを大事にしているんですけど、僕らの中で実装に落とし込む最後の難関って、エンジニアリングと広告なんですよね。
エンジニアリングに関しては弊社内のテクニカルディレクターやリードエンジニアが奮闘してくれているんですが、やはり人数的には僕含めても10人以下なのでここはリワイアさんはじめFFGの皆さんとぜひご一緒したいところなんです!
もう一点、広告っていうとアナグラムさんはもちろん、FFG全体としても得意な領域だと感じています。そうなると、FFG全体でブランド戦略設計と実装とリテンションとかまで全部できるじゃないですか。今までは、トラディショナルな広告代理店がまるっと丸投げで受けていたところだと思うけど、そこを僕らはブランドさんにノウハウの移行までセットで自走支援を実現できるなと思ってるんですよね。僕らはロケットのブースターみたいな役割
自走というのは、ブランドさん、事業者さん自身の力でブランディングを継続し続け、Shopifyを活用し、DXも実現する。ある程度自分たちで全体感をもって進められるように伴走できる。そんな形で「企業、ブランドがサステイナブルな状況を実現できる」状態を実現できるグループになり得ると思っています。そこが大きな理由ですね。


加藤さん:なるほど。僕もリワイアを始めてからShopifyの話する中で、いま一度人の流れを作ることが大事で、わざわざそのために自社サイト作るんだよねみたいなところがあったりする。 別のイベントでも話した内容で言うと、Shopifyに切り替えることで何が良くなるんですかって聞かれると、データというか、人の流れのデータが可視化できるようになって、それを増幅させたり改善させたりすることができるようになっていくんで、そこが面白いところですと。そこに対してエンジニアリングだったりブランディングだったり広告だったりが、ダイレクトに寄与できる状態になるのは大きいなって感じはします。
Web3の文脈で言うと脱プラットホームに。Shopify自体がプラットホームですけど、ちょっと違う形のプラットフォームかなと。どっちかっていうと資産として持てる側のプラットフォームに向かって今動いてるなっていうのが、 Amazon からShopifyになる話の文脈と繋がっていると思っています。


河野:ほんとそうですね、自律分散型のShopifyはある程度意識はしてると思うので、そこはすごく今っぽい形になっているなと思う。一方で先日とあるメディアからD2Cの取材を受けた際にも、「D2Cって実際どれくらい上手くいってるんですか?上手くいっていない方が多いんですか?」という質問があって。個人的には何をもって上手くいっていると定義するのかという問題はあるもののビジネス上の「売上・利益」という観点ではやはりまだまだ皆さん苦労されているなと。


加藤さん:リアルにはそうですね。


河野:それに対して、いやいや、まだまだこういうやり方でいけるんだぞみたいなアンチテーゼはしていかなきゃいけないと。そういうところもやりがいがあるところかなと思ったりします。
D2Cは終わったみたいに言われることが増えてきたので、それに対して、なんらかのアンチテーゼは出したい。


加藤さん:あんまりポジティブな言い方じゃないかもしれないですけど、D2C、目的に特化した販売をコマースを行っていくような形態ってちょっと時間がかかるかもなとは思っているんですよね。今ってそれを積み上げているところで、積み上げた先には素晴らしい未来が見えるよね!みたいな見せ方というか、話している事が多いんですけど、それだけだとどうしても足元が崩れていくんですよね。ただWeb3で、 Amazon とかのそういう中央集権モデルみたいなものが崩れていって、生き残るか生き残らないかのリセットはあるかもなと。なので、最後のパネルにちゃんと乗っていられるかは大事になると思います。そういう意味での助走期間として、Shopifyももちろん、世界中の企業の投資の動きが今加速しているので、一年後どうなってるかわからないですけど、全然違う世界になっているかもしれないですね。

Rewireさんとコマースの未来を一緒に語りたい


河野:僕的にリワイアさんと一緒にやりたいなと思ってるのは、コマースの未来的なことを実験的にチャレンジして、その発信をしていきたいと思っています。


加藤さん:そうですね。僕もそれはやりたいなと思って。それこそRIの皆さんと一緒にやれたらいいなと思うのは、Shopify周りの新しい技術のベストプラクティスの発掘ですね。Hydrogenとかも出たじゃないですか。みんなすごいワクワクしてるけど、まだまだ情報が少ないし、みんな乗りこなしたいけどイマイチ乗り出しきれない感ある。技術的にはすげー、おもしろそーってなるけど、本当に未来変えるんかな?みたいな。だいたい技術革新って1つ飛ばしって言われているので、今のコマースをそのままHydrogenにすることじゃなくて、二歩先三歩先のストアというかコマースの体系を作ってみて、そこから逆算してHydrogenを使ってみる……みたいな。最初の話に戻りますけど「宇宙開発ってなんの意味があるの?」って話と一緒で、ロマン的な感じの開発もちゃんと示せると盛り上がるよなって感じはしますね。


河野:そうですよね。Shopify の普及のためにも、その先駆者的な立ち位置は示せるようにならないとなとはエバンジェリスト視点でも思っていて。Hydrogenを使って、今、壮大かつお金にならない実験的プロジェクトを一人で進めてるんです。 Unreal Engine ってあるじゃないですか。僕
ずっと触ってて、Unreal Engine と Hydrogenと oxygen と組み合わせて絶対売り上げは上がらないけど 、Unreal Engine上に作られた街で実際の買い物までできるイマーシブ体験みたいなの作ろうかなと。
元々3DCG やってた経験を活かして。笑


加藤さん:こないだのマトリックスすごかったですよね。

河野:あれすごかったですねー。

加藤さん:メタバースみたいな言葉が出てきて、空間がちょっと拡張されてきてる。そこが今後もしかすると、Unreal Engineで補完されていって、本当にマトリックスの世界みたいになる。そこで買い物できるって面白いですよね。


河野:そうです、リアル空間と同じ時間にオンラインのメタバース上ではあのクオリティで再現して、どっちが本物かわからないみたいな。マトリックス体験を実現できたら面白い。絶対金にならないけど。笑

加藤さん:めっちゃ面白いです。

河野:そういうのは多分実験的なんだけど未来を見せるっていうか、ロマンを見せるという意味でやれるとすごく面白いなぁと思います。


加藤さん:そうですね、ワクワクを届けないと未来をつくれなさそうなので。
恐らくライブコマースのもっと先みたいな感じ。それこそ店舗の体験がメタバース上にあって、その先にあると思います。考えればいくらでもできそうですけど、確かにすぐにはお金にならないですね。笑


河野:そう。でもすぐにお金にはならないことも、未来につながるのであれば、将来への投資として描いていく必要はあると思っています。
さっきおっしゃってた宇宙開発もそうじゃないですか。


加藤さん:めっちゃ共感しかない。


河野:なかなかこれって、こういう連合体というか、塚田さんのようにロマンを取り仕切る人がいてくれないとやりきれなかったりします。


加藤さん:そうですね。それこそ塚田さんみたいなスタイルは、少年のようなロマンもあり、頼りにもなる、ビッグボスみたいな感じですね。笑
グループの中ではとりあえず一番無邪気。


河野:そうですよね。


加藤さん:常に「どっかいい星があるかもしれない」って探している雰囲気。笑

加藤さんはなぜフィードフォースグループに?


河野:ちなみに塚田さんとは結構前からお知り合いなんですか。


加藤さん:いや僕、ここ入るまではお付き合いなくて。もともとFFGの役員で知り合いだったのは、アナグラムの阿部さんと岡田さんですね。僕はもともと広告出身なので。


河野:以前はサイバーエージェントさんでしたね。


加藤さん:僕新卒はセプテーニで、その後のサイバーエージェントが長くて、あとはちょっと教育系の会社で子ども向けのプログラミングの塾の講師やったり教材開発をやっていました。そのあとはデータ分析、CDPという領域のエンジニアとか事業責任者をして。前職は、LegolissというCDPの構築を手がける会社の役員をやっていたので、ビッグデータ系はまあまあできる。ただ、元々は文系出身で、デザインのほうがむしろできるんです。それこそフォトショップ、イラストレーター20年選手みたいな感じ。大学の時からデザインだったので、普通に広告のデザインやりたくて広告の会社に入りました。

河野:そうなんですね。

加藤さん:そのあと、ネット広告が出始めというか盛り上がりつつあったのでネット広告の部署に配属になって。元々は紙のデザインがやりたくて、ネット志望でもなかったんです。でも、たまたまネット広告の検索エンジンのチームに配属になって。そこからクリエイティブやマーケティングをやりました。その後、サイバーエージェントにたまたまご縁があって転職して。転職してから1年後くらい、25か6くらいの時に、社内転職でゼロからエンジニア育てるみたいな企画の募集が社内であって、2ヶ月間研修を受けました。未経験エンジニアとしてサイバーエージェントでやり始めて、そのあとはずっと広告のプロダクトを作ったり、子会社の役員やったりとか。今はサイバーエージェントのAI事業本部というところに内藤って役員がいるんですけど、AI事業本部の前身になる広告のアドテクノロジーの部門の立ち上げを一緒にやっています。


河野:そうなんですね。社内転職で、エンジニアを育てるとは、サイバーエージェントってすごいですね。


加藤さん:その時だけなんですよ。たまたま気まぐれでエンジニア採用進まないから、イロモノ企画でエンジニア育てたらどうだろうって話になって。会議とか、社内のプロジェクト、ビジネスプランコンテストに出た案だと思います。記憶が曖昧ですが。それに参加して、研修を受けた中で僕を含めた3人がエンジニアになりました。僕は広告の知識はあったので、広告のプロダクト作ろうと新卒に交じって、一生懸命コードを書いてましたね。


河野: 超ハイブリッドだったんですね。


加藤さん:超ハイブリッドです。超珍しいパターンですよね。営業ずっとやってて、マネージャーやるか別のことするかと悩んで、エンジニアってかっこよさそうだなと、斜に構えた理由で志望してエンジニアになるっていう。それで10年以上たつので、悪くはなかった選択だなって感じはします。それもあって今でもコードは書けるし、経営をやるのも両立できているのだと思います。よく言われるのが「エンジニア特有の癖みたいなのがそんなにたくさん出ないですよね」って。癖つくじゃないですか。もともとエンジニアの方ってエンジニアっぽい雰囲気が。僕はどちらかというとクリエイティブのほうが強いので。


河野:そうなんですよ。自分もそういう時期があったからわかるんだけど、エンジニア出身だとどうしても、防衛するラインを早めに設定する癖が出ちゃう。


加藤さん:そうですね。理解はできるのですが。余談ですが、作っているものの手触りが良くないと辛いってなっちゃいます。エンジニア的に正しいけど手触りが良くないってものって世の中にたくさんあって。「なぜこのボタンを置いた」みたいな時は気になっちゃうので、最初の仕様の設置やデザインのタイミングで入ったりします。


河野:そうなんですね、意外でした。加藤さんってエンジニア一筋できたのかなと思っていたので。


加藤さん:いや全然そんなことはないですね。エンジニアリングで言うと、そんな自信がないです。今でもPythonとかRubyは書けますし、それこそ今のReactとか触れますけど、本職としてプロですというにはレベルが……という感じです。一点、英語はできるのでその分理解が早いかなと思います。


河野:そこは強いですよね。僕も色々なことをして、会社が潰れないようになんでもやるって事やってきたのでわかります。

なんとなく感じていた共感。そこからの「再配線」


加藤さん:河野さん、結構共通点が多そうな感じがする。


河野:多いです。今お話を聞いててすごい思いました。唯一違うのは、僕はちゃんとした社会人経験がないことくらい。笑


加藤さん:いやいや。でも、音楽もデザインもいろいろやられてますよね。僕は趣味レベルですけど。


河野:僕は人生すべてがエンターテイメントなので。今週(2021年12月17日時点)もFRACTAのスタジオでマーケティング界隈の有名人たちと、マーケティングとは全く関係ない音楽番組をオンライン配信をして。笑
ぎっくり腰なのに無茶をしてまたさらに痛めました。笑


加藤さん:それは大事にしてください。腰は大事ですよ。
僕は組み立てる系のエンジニアリング、クリエイティブが好きですね。電子工作も好きだし、音楽も作るの好きだし、3Dもやるし。今はないんですけど3Dプリンターも5台くらい持ってました。


河野:FRACTAも3Dプリンターいくつかあって、業務でもバリバリ使っていたのですが、出力に時間がかかりすぎるので、だんだん使われなくなってしまいましたね。もっと早く出力できればいいんですが。


加藤さん:5、6時間はザラですよね。でもたまにやりたいなぁ。無心に3D デザインして出力したいなってときがあるんですが、あまりにも場所取るんで。


河野:あと、途中で止まったりするんですよね、目詰まりして。でも昔の3 D レンダリングでもそんなもんだった。めちゃくちゃ時間かかる。結局一緒だな。


加藤さん:シェーダーたくさん入れたら、あ、じゃコーヒータイムみたいな。


河野:昔は寝る前にやって朝起きたら完成してるっていうのも多かったんですよね……。


加藤さん:そんな時間かかったんですか。


河野:かかってました。昔は……というか僕やってたのは20年も前ですけど。iShadeとかからですね。

加藤さん:すごい古参ですね。


河野:まだ普通のPCで3Dがやれなかった頃でした。なのでWindows NTベースの3DCGワークステーション、DZ 2000 GX1 + wildcat とか、めちゃくちゃ高かったんですが、仕事で得たお金を全部ぶっ込んで作ったりしてましたね。それでもレンダリング時間かかりました。
ソフトウェアはLightWaveを使ったり。


加藤さん:そうなんですね。LightWaveって聞いたことありますけど。


河野:当時はLightWaveってめちゃくちゃ有名で。でも最近MAYAとかそっちが有名になったんですけどね。


加藤さん:今いい時代になりました。Blenderも使えるし。


河野:MacBook Proでも当時の僕からすると信じられないスピードでレンダリングできるので、そろそろちゃんとビジネスに昇華しないとなと思ってます。20年越し。笑


加藤さん:僕の趣味の話して、大丈夫ですか?僕の話でいうと、元々僕自身は粘土こねるところから、諸々を作るのが好きな少年でした。Rewire自体は色んな物があってそれを繋いでいくっていうことをコンセプトにしているんですよね。


河野:名前がそうですよね。


加藤さん:ゼロからものを生み出すという事も、もちろんむちゃくちゃ大事だと思いつつ「Rewire」(再配線)に決めました。
でもやっぱりコマースの領域に入ってどういう世界観を作りたいかとなった時に、いまいち配線がうまくいかない(いっていない)よねっていうのが世の中にあると思っていて。お客様、マーチャントとしてもすごい良いサービスや商品がたくさんあるなと思っていました。一方でShopifyみたいなサービスや、アプリとか使えるものもたくさんあるんだけど、うまくはまらないなぁというところが業界にはまだまだ多いなと。鶏が先か、卵が先か論ですけど、お客様やマーチャントと良い商品やサービスが繋がるようになると、繋げるためのものを作りたいって人が出てくるかなという感じがしました。
ちょうど1年前に「そこ(繋げること)ができたらいいね」って話をしてつけた名前ですね。


河野:すごく素敵な名前だなと思って。再配列とか再配線とかって今後の未来の社会において、とても大事なテーマだと。ひたすら新しいものを生み出し続けることは、もちろん生み出せる人はすごく素晴らしいし、それ自体を応援したい気持ちがある一方で、生み出し続ける、増やし続けることはもはや人類にとって負担になりつつあるなとも思ってるんですね。既に存在するもの、誰かが生み出してくれた素敵なモノ、コトを再配列、再配線してリビルドして新しい価値を作っていく。その方が結局みんな幸せになれるし、無駄もないんじゃないかって感じています。誰かが作ったものを、誰かが引き継いで、またそれをさらに良くしていくみたいなことだったりとか。後は巨大なプラットフォームの動きをなぞるのでなはく、みんなそれぞれ尖ったもの作って、それがちゃんとお金になれば、全員がビジネスのスケールを追い求める必要はないんじゃないか?と思います。それをつなぎ合わせて新しい価値にしていったほうがいいなと。
そういう意味ではWeb3の話にも繋がってくるところがありますね。


加藤さん:そうなんですよね。それぞれの自律分散されたものの価値が、もっと定量的に出てくると思うので。


河野:それを繋げるセンスは大事になりますよね。


加藤さん:そうなんですよね。それが今結構求められているところで、逆にいうと教育とかは結構大変だなって思います。繋げるセンスはどこからくるのってところが特に。
こことここを繋げたほうがいいよねというのはイメージではしっかり描けるんですけど、それを具体的には伝えづらかったりする。最初の話に戻りますけど、それが、最終的にロマンとかブランディングとか、そういうのでセンスが固まるというか、共通のビジョンに具現化されるってのが大事な気がしてて。これとこれを繋げるのは、我々が求めるこの「ビジョン」に近づくためだ、とか。
FFGの中でお互いが補完するというのは、そこにめちゃくちゃ価値があるかなと思います。ブランディングがないと実際にモノを表現する時困っちゃうし。表現できないとそれこそ絵に描いた餅になってしまって、ブランディングそのものの価値がなくなってしまうので、そこの両輪がうまく組めるといいなと思います。


河野:だから今回のグループ化というのは僕の中では、リワイアリングされた結果なのかなと思っていて。なんとなく一緒になれるんだけど、でも本当にちゃんと適切に再配線されるっていうのが大事かなと。それがないと最大効果は出ないじゃないですか。そこら辺がうまくハマる形になったらいいなと思います。なんとなく感じていた共感。そこからの「再配線」の結果、みたいな。


加藤さん:そうですね。僕はめちゃくちゃFRACTAの皆さんとお話したいですけど。


河野:結構みんなだいぶ曲者なので。笑


加藤さん:結局イベントの時以降、南茂さん(*FRACTAの社員)ともちゃんと喋れてなくて。もうちょっとちゃんとお話ししたいな。


河野:ぜひ!喜ぶと思います。


加藤さん:シンパシーは感じているんですけど、チョコおじさんとか。


河野:チョコおじとかもチョコレートのためだったら人生賭けられると思うんで。もう1人、自社サービス作ってるリードエンジニアがいて。その人は技術力は本当にあるんですけど、人格は中学生の状態で止まってて、面白いです。みんな真面目なのは共通してて、そういう意味ではFFGの皆さんとの文化は近いと思います。


加藤さん:僕、話したら絶対仲良くなれるよなって空気感だけ持ったままいるんで。

FRACTAに対して期待すること


河野:最後に僕からリクエストなんですけど、僕らに対して期待する事ってありますか?もしあれば改めてお聞きしたいなと思います。


加藤さん:最初に話したロマンの話があって、ロマンの創出を一緒にやりたいなと思っています。FFG自体とてもいい会社で、そのボスである塚田さんはロマンがある人。なので全体にロマンは持っているんだけれども、どうしても実務に寄りがちなんです。ちょっと真面目すぎるというか。もっとふわふわしてくすぐったいみたいなロマンを掲げるところがあってもいいかなと個人的には思っていて。僕自身もちょっとやりたいけどやりきれないなと思って、生み出されたのがrewired.cloud ってメディアなんです。隙間ちゃんと埋めながらも、より実験的なものもたくさんやれるようにしたいなーって個人的にはすごく思っています。お金にはならないけどコンセプトアートみたいなものを一緒に描きたいなと思っている所が、僕個人からの1つ期待値っていう感じですね。そこからは、いくらでも話はついてくるんじゃないかなって。

加藤さん:あとは僕がやりきれてないフォローできる部分でいうと、データの部分であったり技術面でももうちょっとロマン寄りの技術。今できている部分ももちろんあるので大丈夫だと思うのですが、そこも含めて、作るだけじゃない、エンジニアという枠に収まらない、グループを横断したテックチームみたいな。まあFRACTAさんのRIが近いと思うんですけど、そういう職種を増やしたいなと思っているんですよね。僕は今メカニックって名乗ってますけど、もっとライトウェイトに小回りが効いて、テックが触れるメンバーが増えてもいいなと思っていて。それこそ今プロジェクトを担当されていて、デザインされてる方も垣根を越えてReactをさわるという瞬間がでてくるかもしれないし、今普通にLiquid触ってる人もShopify POSとかの導入支援やるようになるかもしれないし、もっと幅が広がるような、今必要なものに対して興味の幅が持てるような職種をもうちょっと増やしたいと思っています。FFGのエンジニアは真面目にエンジニアなんです。なのでそれこそノンスタンダードワールドの佐藤さんのような、もうちょいアート×テックみたいものにチャレンジできる環境や、実際に出来る人がもう少し増えたら、世界が変わるよなって。そういう人を一緒に育てたり、チームやハコやコンセプトが作れたらいいなと僕個人は思っています。


河野:いいですね。エンジニアって言葉じゃなくてメカニックとかアーキテクトとか。


加藤さん:新人類作るしかないので、今。ただただ大企業のように分業できます、ではつまらない。核融合を起こして違う人類、ニュータイプが生まれた!くらいのことがないと、グループでやってる意味がないので。


河野:そうですね。それをFFGで一緒にやれれば、実現できるような気がしているので、ぜひご一緒したいですね。僕らも同じ未来に向いてると思うので、FFGが期待することに応えながら、叶えていきたいなと思います。

ありがとうございました!

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