無限の表現力を持つ黒

無限の表現力を持つ黒

こんにちは。FRACTAのアートディレクターの宮崎です。

本日9月6日は語呂合わせ(9と6)から【黒の日】とされています。京都黒染工業協同組合が1988年(昭和63年)に制定し、創立40周年となる1989年から始まったそうです。

黒と聞いて思い浮かぶものはたくさんありますが特に洋服のデザイン。リトルブラックドレスなどエレガントなイメージもあれば、スーツでフォーマルなイメージ、レザーのジャケットはワイルドな印象もあります。またデパートのBAさんの制服になっていたり、フォトグラファーやデザイナーなどクリエイティブ関係の人がカジュアルに着用していたりと、色の特性を生かし、様々なシーンで活用されています。洋服という切り口だけでもこのように黒はさまざまな効果を持つ色であり、その意味や影響は文化や状況によって異なります。今回な豊かな表現力を持つ黒の効果についてお話ししたいと思います。

神秘性と魅力

黒は古来から神秘性を象徴する色とされてきました。その深い黒さは、未知の領域や未来への探求心を刺激し、観る者を引き込む力を持っています。高級感やフォーマルな雰囲気から、クールでモダンな印象まで、デザインの目的やコンセプトに合わせて多様な雰囲気を創り出すことができます。この特性を利用して、商品やブランドのロゴ、パッケージングなどでユーザーの好奇心をくすぐることができます。例えば、シャネルやヨウジヤマモトなどのブランドは、黒を基調としたデザインでその特徴的なイメージを構築しています。

CHANEL

(画像引用元:https://www.chanel.com/jp/

リトルブラックドレス、ツイードのスーツ、キルティングバッグ「2.55」、バイカラーのシューズなど、黒=エレガントというイメージはこのブランドが生みだしたと言っても過言ではありません。装飾されたドレスが主流の時代において、当時喪服として使用され、ファッションにおいてはタブーとされていた「黒」の余計なものは一切ない純粋なラインのドレスは「モダンな女性のユニフォーム」として絶賛され、究極のエレガンスの象徴になりました。「つねに引き算を。余計なものは付け足さない」というガブリエル・シャネルのポリシーは、ファッションだけでなく様々なデザインスタイルの指針として、いまも受け継がれています。

Yohji Yamamoto

(画像引用元:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD1025Q0Q1A910C2000000/

日本を代表するデザイナーで、黒を基調とした洗練されたデザインが特徴です。黒は彼のデザイン哲学において力強さや内面の表現を象徴する色とされています。1981年のパリコレクションでは、アシンメトリーなフォルムや大きな穴の空いたデザイン、当時はほとんど洋服に使用されていなかった「黒」を基調にしたコレクションで、ファッション史に「黒の衝撃」として刻まれました。

洗練されたシンプリシティ

黒はシンプルながらも洗練された印象を与える色です。ミニマリズムのトレンドに合わせて、無駄をそぎ落とし、要素を引き立てるのに最適です。黒のバックグラウンドに白や鮮やかな色を配置することで、目を引くコントラストが生まれ、情報伝達が効果的に行われます。最近ではダークモードのトレンドに合わせて、黒をベースにしたウェブサイトも増えています。

Apple

(画像引用元:https://www.apple.com/jp/

製品のデザインやパッケージングにおいて、黒をシンプルかつミニマルに使用しています。特にiPhoneやMacBookなどのデバイスは、黒を基調としたデザインが多く見られます。またWebサイトでは黒をベースにグラデーションの要素やコントラストの高いプロダクトイメージを用いることで、暗闇から要素が浮かび上がるような未来感を感じさせるデザインになっています。

コントラストとハイライト

黒は他の色とのコントラストを引き立てるための優れたベースカラーです。鮮やかな色や明るいトーンを組み合わせることで、要素が際立ち、目に留まりやすくなります。また、黒を使用して要素をシャドウや輪郭で強調することで、デザイン全体に立体感や奥行きをもたらすことができます。

子の日

(画像引用元:https://nenohi.jp/

プロ用の最高級な包丁を製造販売する子の日。黒をバックグラウンドに用いて包丁のエッジ部分にコントラストをつけることで最高の切れ味を際立たせています。またコントラストの強いドラマティックな写真を用いることで、上質感やクラフトマンシップを感じさせます。

まとめ

黒いデザインは、その色の持つ特性と効果を十分に理解した上で、クリエイティブな活用が求められます。シンプルさと複雑さ、神秘性と表現力を兼ね備えた黒は、デザインの世界で無限の可能性を秘めた色と言えるでしょう。

 

[参考記事]