音声メディア「FRACTA Future Forecast|未来と文化の交差点」がスタートしました!

音声メディア「FRACTA Future Forecast|未来と文化の交差点」がスタートしました!

このたびFRACTAでは、音声メディア「FRACTA Future Forecast|未来と文化の交差点」を3月1日よりスタートしました。「未来と文化の交差点」は、FRACTAプランナーのつっちーこと土田と、チャーリーこと狩野が社会やテクノロジー、ビジネスの話題を行き来しながら、未来や文化についてのたらればを発信する番組です。

https://anchor.fm/fracta

今回は、先日公開した「SFから考える信用スコア」の様子をお届けします。

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つっちー:本日は初回なんですけど、先日チャーリーにピックアップしてもらった記事について、僕が質問する流れで話をしていきます。現在、評価型の社会というのが中国を始め来ているそうですが、この流れが日本にも来るのだろうかということについて、新しい評価の一つと言われている「信用スコア」も照らし合わせながら話を聞いていきたいなと思っています。

*参考記事

チャーリー:はい、未来の話ですね。

つっちー:そもそもなんですけど、この記事になにを感じてピックアップしたのでしょうか?

チャーリー:コロナで世の中の状況が今みたいに大変になった直後ぐらいに、雑誌のWIREDが「BRAVE NEW WORLD」という特集を出したんですよね。
その内容が、未来をプロトタイプするみたいなテーマで、「不安定な社会状況の中にある未来は、実際こう変化していくんじゃないか」という短編集がいくつか載っているんですよ。これが面白くて。コロナ禍になってから時間が経っている今読んでも、「お。そういうルートに突入している」みたいな話。で、その中で「信用スコア」みたいな話があったんですよ。「美しき鎖」(​​吾奏 伸/著)という短編小説が、「未来の信用スコアをこう考えた方がいい」「こういう考え方があるんじゃないか」というテーマだったんですよね。信用をどう累積していくみたいな話だったので、今回の番組でも信用スコアの話題が良さそうだなと。

つっちー:僕の中の信用スコアのイメージって、中国の政府だったり、大きい企業がスコア付けすることで借りられるお金の金額や受けられるサービスの質が変わるみたいな、わりとクローズドな、中央集権型なイメージでした。

チャーリー:そう、よく例にも挙がる話ですよね。中国では規律を守ることが基準にされているから。

つっちー:はみ出し者は許されないみたいなイメージがあって。日本でもLINEスコアとか、Yahooスコアがありますね。
*Yahooスコアは2020年8月31日にサービス終了。
WIREDのなかで言及されている信用スコアは、どういう方向で書かれているんですか?

チャーリー:簡単に言うと、環境負荷や気候変動に対して、人間が良い行いをしないといけないよねということを、本当にスコア化して取り組んでいく世の中になったとしたら……みたいな話。基本的には良い行いを皆がするようになって、スコアが貯まるという話になると思うんですけど、その短編小説の中に出てくる例が面白くて。
学校でスコア化される仕組みに取り組んでいたときに、生徒の一人が花壇のお世話をしていたのだけど、肥料の配合やあげ方を間違えて花が全滅しました、と。普通だとスコアがマイナスになっちゃうんだけど、そうなると花壇を世話したい人がいなくなってしまう。
でも、この話の中ではその生徒は花壇の花だったり、緑を傷めてしまった行為がなぜ起きたのかということを、未来に繋げたのではと捉えられていて。花を枯らしてしまったことで、肥料の使い方を考えようとなったり、当番というリスクヘッジをどうするかという問題提起に繋がっている。
失敗によってできたエビデンスによって、ネガティブな出来事が将来のポジティブなポイントに相殺されていくんですよね。「その人の行いは未来をよくしたね」と置き換える考えもありじゃないのって。
この短編小説に出てくる登場人物たちは、実は多大な負債を負って未来への挑戦をしているみたいな話だったんですよ。

つっちー:面白い話ですね!僕、信用スコアは結果主義や能力主義なところがあるから難しいのかなと思っていて。要はできる人が評価されることになると、善意はあるけど花を枯らしちゃった人はどうなるんだろうと思っていました。でも、その小説で示唆されているのは、気持ちも内包された信用スコアができるかもしれないという未来なんですね。

チャーリー:そうそう。そういう示唆が含まれているのかなと思って。別に卑下する意味ではないのですが、日本ってやっぱり挑戦することが難しい文化だったり、正解にある程度誘導していく傾向があると言われている中で、どうやったら日本も挑戦をしていけるんだろうというのは、普段ふとしたときに考えたりします。なので失敗してもいいよねという考え方が信用スコアに含まれているのが良いなと。それはフェアチェーン(公平な鎖)という名前で表現されることもあるのですが、日本の言葉で表現すると「失敗は成功の母」システムだと思ったんです。

つっちー:なるほど。

チャーリー:だから失敗することが良いというよりは、挑戦することに対してポジティブに捉えられる仕組みになっているのが、めちゃめちゃ面白いなと。あとはWIREDの中で、学術論文がどれだけ参考にされたのかがその論文の評価になるという話もあって。過去出した論文がどれだけ参考にされて、将来の新しい研究結果に繋がったかにチェーンしていくと、具体的な成果に結びつかない論文であっても、未来にどれだけ役立ったか再評価されるみたいな。今のテクノロジーでトラックレコードとして個人の行動が記録しやすい世界になっているのだとすると、スコアを紐付けることで何か面白いことができそうだなと思いました。

つっちー:確かに。僕の仕事で言うと、例えばブランドさんとお仕事をしていて新しいことに挑戦しようとなったとき、正解と言うか、売上の話がどうしても出てくる。売上ももちろん指標として大事だけど、「そのブランドが未来をどれだけ進めたか」が評価軸になったり一つの指標になったら、いろんな新しい表現が生まれそうですね。

チャーリー:そうそう。それこそ企業で働く人の評価も、別に悪いことではないけど、ある程度成果主義になるじゃないですか。我々も普段仕事をする中で、いい結果を出そう、今までなし得なかったことに挑戦しようとなったときに「やったことがない未来に対してどれぐらい成功させるんですかね」という話になる。検証はして、確率をある程度寄せたりできるかもしれないけど、成功の保証はできない。その中で、さっき話していたことがビジネスや生活においてもあるのだとしたら、「未来は再評価されるから、とりあえずやっとくかね」となるんじゃないかな。

つっちー:確かに。普通に仕事で活かしたいですね。あとは企業の経済活動という意味で、再評価されるスパンが、10年後なのか100年後なのかは気になりますね。でも、再評価される指標があるのはすごくいい。仕事の中でそういう話ができれば、もっと面白いですね。

チャーリー:そうそう。WIREDのその短編小説も、結構長いスパンの話で。人間の生活が自然環境に与える影響であるカーボンニュートラルの話だったりとか、時間軸は長いけど、この考え方は今の現代の文化帯にも生きるんじゃないかな。再評価という考え方が広がれば、失敗もしやすくなるはず。

つっちー:いいですね。信用スコアの話だから最初は人事制度・評価の話かと思って恐れてたんですけど、これは仕事に活かせそう。このPodcast自体も、未来への布石かもしれないですね。

チャーリー:そういうこと?じゃぁ、我々のこの収録が失敗しても、未来の収録者が現れたときに活かせたらいいということですね。

つっちー:(笑)と言うことで、第一回目は失敗に希望や勇気が持てるお話だと思いました。

チャーリー:失敗に希望を持てることが、世の中に現れてもいいですよねという感じ。

つっちー:そんな世の中へ、テクノロジーの力で進むといいですよね。それでは、第1回を終わります。ありがとうございました。

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いかがでしたでしょうか?「未来と文化の交差点」では、毎月さまざまなコンテンツを発信してまいります!

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