50人の壁を突破するには?ブランディングエージェンシーが取り組んだ、人事制度リニューアルの裏側:前編

50人の壁を突破するには?ブランディングエージェンシーが取り組んだ、人事制度リニューアルの裏側:前編

皆さんこんにちは。FRACTA CSV局です!

今回は、リブランディングの最終段階として行った人事制度改定についてご紹介したいと思います。

ブランド組織において人事制度はとても重要である、というのはFRACTAとして以前から発信してきました。しかし、私たちは人事制度設計のプロではないし、企業ごとにその評価制度は千差万別かつ最重要機密事項の1つに数えられるため、なかなか抽象的なことしか伝えられず、歯がゆい思いをしてきました。

そこで今回、私たちFRACTA自身がリブランディング活動の一環として人事制度改定を実行し、その詳細をレポートすることで少しでも皆さんのブランド組織設計のお役に立てればと思い、このnoteを書くことに決めました。人事制度に込めた思いや狙いはもちろん、これら人事制度改定をプロの立場として伴走してくれたブーケさんと共に進めてきたプロセスまで含めて大公開します!

想いが溢れすぎてとっても長くなってしまいましたので、前編・後編に分けてお届けします◎ぜひあわせて読んでいただけると嬉しいです!

 

最初に。人事評価制度はなぜ必要なのか?

今回私たちが人事評価制度をきちんと整備しようとしたきっかけは3つあります。

①人数が50人を超えて急成長期に入ったこと
②代表への依存から脱却し、経営陣及び中間重要ポジションメンバーへの権限移譲が必要だと考えたこと
③FRACTAのブランド活動を、見た目や業務内容だけでなくより全てのアクションに落とし込む必要があること

私たちFRACTAは、ブランドとは言葉や行動、ネーミング、グラフィック要素、デジタルなインタラクション、その他さまざまな要素で表現される意思決定と行動の総和であり、真のブランディングとは意思決定と行動を迅速かつ的確に実施すべく、思想を整理し、スタンスを明確にして商品そのものやそこに連なる体験まで含めて高い付加価値を実現し続けられる状況を生み出すことだと定義しています。

※FRACTAが考えるブランディングについては是非マーケティングネイティブさんの記事もご参照ください!

社員一人一人の意思決定もブランディングにおいては重要なファクターなので、そのアクションをしっかりと定義し評価していこう!という意図があります。

人事制度改定に先立って進めた組織化、そしてリブランディング
社員数が少ないうちは「阿吽の呼吸」や「なんとなくの空気感」で考え方が揃えられますし少ない人数ならではの一致団結したパワーがあるので、ついそのままの勢いで人数を増やしてしまいがちです。でも実際には、マネジメントは受け持つ人数によって難易度が飛躍的に上がっていきます。また会社全体の人数規模によってもやり方がガラッと変わるので、少ない人数の頃とずっと同じ考え方では歪みが出てきます。FRACTAにとってその上限値が「50人」でした。

代表の河野も「30人を超えたあたりから、一人一人との対話の時間が物理的に取れなくなってきた……」とボヤいています。マネジメントレイヤーが実務に入ると当然のことながらそちらを最優先することになるため、ますますスタッフとのコミュニケーションが希薄になってきます。

そこで2020年初頭、河野が土屋鞄製造所の取締役を退任するタイミングで大人数の部署を管轄した経験をFRACTA社内にフィードバックするチャンスがあったことから、「このまま自分が無理をして全て見続けるよりも、重要な意思決定を行う幹部の設定を明確に行った方がよい」との判断で、それまでのフラットな組織からマネジメントを設けた組織づくりを行いました。
当初は大きな混乱もあり退職者が一時的に多くなることもありましたが、すぐに安定化し、次第にそれぞれの部署の管轄が明確になっていきました。

組織づくりの結果、マネジメント層が1on1すべき対象を常に5人前後までにするイメージが固まりました。こうすると一人一人とのコミュニケーション時間が取れるようになり、組織としてはだいぶ安定感が出てきます。

一方で、一人で全部見ている時と比べると、各組織毎にそれぞれ色が出てきます。これは悪いことではなく、複数の幹部同士からの客観的な視点によるガバナンスという観点ではとても良い状態でもあります。
しかし「FRACTAらしさ」は少しずつ希釈化されていきます。それぞれが良かれと思ってやったことが、ブランドの目指す世界と全然目線があっていないということですね。ここはブランド活動としては大きなネガティブポイントになってきます。

そこで、全ての行動指針のベースとしてFRACTA全員の意思を統一するためにリブランディングを行いました。

リブランディングについては記事にまとめていますのでぜひこちらをご覧ください!

FRACTAのVISIONとMISSON

目指す未来を実現するために取り組んだ人事制度の改定

そうして明確にしたFRACTAのビジョンとミッション。
これを実現していくために、人事評価制度を改定していくことにしました。

人事制度を改定していくにあたり、まずは「目的」を明文化していきます。

人事制度改定の目的
今後のより大きな成長のために組織体制の基盤を強化する
1.成果を出したひとが適正に評価される仕組みにする
2.評価基準を明確にし、組織全体での整合性を担保する
3.さらに「FRACTAらしい」人事制度にする

簡潔にまとめると、ミッションである「最大の理解者、最良の伴走者となり、ブランドの輝きを社会に実装する」ことにコミットしてくれるメンバーを適正に評価し「FRACTAらしい行動」を促す人事制度にする、ということです。でも「FRACTAらしい」ってなんやねん……。ということで、次はFRACTAが組織として目指す姿(Policy)その実現のために一人ひとりに求める要素(Values)に分解していきました。

人事制度の全体像
FRACTAの組織Policy
FRACTAの組織Policy

 

FRACTAが目指したい組織は、2つの側面を持っています。

1つは、「常に外に広く開き、高くアンテナを張り、時代の先を探求する。一人一人が夢を持ち、出会うものすべてを糧とすることができる。変幻自在で面白いことに夢中な集団である。」ということ。新しいことへの興味関心が強く、変化やチャレンジを恐れない、柔軟性とスピード感を持った組織でありたい。

一方で、ずっと走り続けるだけでは疲れてしまうし、組織で戦う意味がありません。

第一線で戦い続けるためには、ときにエネルギーチャージしたりみんなの知見を元にした武器を得たりすることのできる基地のような場が必要です。この「場」は、同じ価値観を持った仲間によって成り立っており、お互いを助け、ライフステージの変化なども含めて社員の活躍を後押しできる組織だと考えています。そしてこの「場」自体も柔軟で拡張性があり、無限の可能性を秘めていること。

私たちが実現したい組織としてのFRACTAは、安心して働けて社員の活躍を後押しできる「Base」と、新しいことにどんどんチャレンジし探求し続ける「Quest」の両側面をもった組織です。

ここで誤解してほしくないのは、部署や役割として「自分はBase側」「Quest側」ということではなく、全員が両側面を持った組織であるということです。

そしてこのPolicy「Base and Quest」を実現するために、社員一人ひとりに求めるFRACTAらしさの要素を「Values」として定義しています。

6つのValues

Values

6つのValuesを設定していますが、そのなかにはすでに社員みんなが持っていてこれからも大切にしたい要素もありますし、今後一人ひとりが獲得していかなければいけない、育てていかなければいけない要素もあります。

これら6つの要素は、コミュニケーション能力のエレメントを示しています。FRACTAではコミュニケーションをとても大事にします。私たちにとってのコミュニケーションとは、人前で話すことが得意とか、喋りがうまいとか、友達が多いとか、飲み会が大好きといったようなことではなく「相手を理解しようとする姿勢」を示しています。

コミュニケーション能力は端的に「数」が重要になります。センスではなく、場数です。FRACTAには元店舗接客スタッフやカスタマーサービス、営業の経験者が多くいますが、そのメンバーの多くは「自分は陽キャではない。コミュニケーションが得意ではない」と思っています。「得意ではない」という自覚があるからこそ、事前に準備し、相手のことをできる範囲で理解しようとする姿勢が生まれてきます。この「姿勢」こそがFRACTAにおける「コミュニケーションの真髄」といえます。

相手に信頼してもらうこと。これは私たち同士もそうですし、もちろん弊社のお客さま、パートナーとの関係性もそうです。結果的にそれがFRACTAのお客さまであるブランドとその先にいらっしゃるブランドのお客さまとの信頼醸成につながると考えています。



ここまで、私たちFRACTAが人事制度改定に取り組もうと決めた背景や狙い、そして制度の中心となるPolicy&Valuesについてお伝えしました。
後編では、これらを元に実際にどんな風に各制度をつくっていったのか、またどんな制度になったのかをお伝えしますので、ぜひ後編も読んでいただけたら嬉しいです!